所長のミニコラム ~ Monthly column ~

03月のミニコラム

ストロング小林展

スポーツ新聞で2021年に亡くなったプロレスラーのストロング小林展があると知りました。子供のころ、プロレス団体は馬場の全日本、猪木の新日本、ラッシャー木村の国際と3団体ありました。ストロング小林は、国際プロレスのエースで地味なレスリングスタイルでしたが、誠実さがうかがえるレスラーでした。晩年はほぼ寝たきりとなり、青梅で妹さんに看病されて生活していました。ストロング金剛としてバラエティー番組にも引退後は出て活躍していましたね。

ストロング小林展は青梅市の西友河辺店で開催されるということで、車で向かいました。スーパーの西友にある小さな市民ホールでこじんまりと開催されていました。入り口で住所と氏名を書くと小林のポストカードをもらえました。展示物は写真が多かったですが、小林がアメリカのリングで着用していた田吾作スタイルのウエアは、汗臭いような強烈な匂いを放っていて、それが印象的でした。ジャイアント馬場やアントニオ猪木の展示会は、デパートなどで開催されていますが、一人の小林のファンがこのような展示会を手弁当で開催されたのは珍しいことです。入場無料でグッズ販売もなく、なんか飾らない性格のストロング小林に合った展示会だと思いました。ありがとうございました。

2024.03.01 公認会計士・税理士・行政書士 井上 修
02月のミニコラム

34年ぶりの再会

およそ34年前に7年間務めさせていただいた監査法人を退職しました。そこでは通常の監査業務とは別に新規株式公開の準備作業に担当として携わることができました。月次決算制度、原価計算精度、内部統制制度、社内規程の整備などの上場準備作業をクライアントの担当者と一緒に進めていきます。私も当時は血気盛んな会計士として時間を忘れて業務に没頭していました。祭日の早朝に妻が破水して急いで病院に送り届けて、以前からクライアントと約束していた原価計算の説明会にそのまま直行して打ち合わせをしていたほどです。説明会の帰りに父親に「どっちだった?」と電話で聞いて「双子の男だよ」と聞いたときは、すごく嬉しかったですね。

そんな感じで関与させていただいたクライアントの当時の経理担当の方から、「明日にでも先生の事務所に行って良いですか?」と突然電話があり翌日私の事務所に来ていただきました。会社はめでたく上場し、一人は役員になりもう一人は本部長として組織を上り詰めていました。お二人ともまじめにコツコツやられた成果だと思います。後日、3人で食事をしたのですが、昔話に花が咲き暖かくなったらゴルフをやることになりました。

当時は3人とも30歳くらいで、その後年賀状のやり取りだけでまさかおよそ34年ぶりに一緒にお酒を飲めるとは夢にも思いませんでしたが、長く生きているとこのようなお年玉もあるのだなとつくづく思いました。

2024.02.01 公認会計士・税理士・行政書士 井上 修
01月のミニコラム

光免疫療法

「がんの消滅 天才医師が挑む光免疫療法」という本を読みました。オバマ大統領が一般教書演説で「健康な細胞を傷つけることなく、がん細胞だけを殺す治療法が開発されつつある」と取り上げました。その治療法が光免疫療法で、日本人である小林久隆が開発した治療法です。

光免疫療法とは、がん細胞にIR700という物質を結合させ、そこに近赤外線を照射すると、近赤外線のエネルギーでIR700が化学変化を起こして、結合していたがん細胞の細胞膜に無数の傷がつくことでがん細胞が破壊されるという仕組みです。がんの周りの正常細胞には一切傷をつけず、がん細胞だけをピンポイントでやっつけるとても身体に優しい画期的な治療法です。

楽天の三木谷さんは、父をがんで亡くしたところから、この治療法に早くから着目して、アメリカでの治験費用や研究費として個人で数百億円の資金をつぎ込みました。そして現在ではこの光免疫療法が頭頸部(顔面から首までの範囲)がんに対して保険適用されています。治療に使う薬剤は楽天メディカルが販売していて、楽天メディカルのホームページに治療が受けられる病院が紹介されています。

頭頸部以外の治療にも光免疫療法が保険適用されて使われることが早く来ることを願わずにはいられません。楽天モバイルで躓いて、「楽天危うし」などと揶揄する情報も目にしますが、人類が救われるような研究に多額の資金を出して応援している企業であることも知ってほしいですね。

2024.01.01 公認会計士・税理士・行政書士 井上 修