週刊なるほど!消費税

消費税の還付
アパートの建築で還付(1)

第309号 2009/7/6

☆【生徒】

前回は商業ビルの建築と消費税の還付の話でしたが、アパートを建築した場

合の消費税還付の話を聞かせてください。

★【先生】

アパート建築と消費税還付の話をするには、課税売上割合というものがポイン

トになります。

☆【生徒】

課税売上割合って何ですか?

★【先生】

課税売上割合=課税売上高÷(課税売上高+非課税売上高)

課税売上高とは、消費税が課税される売上です。

☆【生徒】

なるほど、この課税売上割合は消費税の計算でどう係ってくるのですか?

★【先生】

課税売上割合が95%以上か否かで、消費税の計算が違ってきます。

☆【生徒】

95%以上の場合はどうなるのですか?

★【先生】

売上などで「預った消費税」から、経費の支払いや資産の購入などで「支払

った消費税」を全額控除することができます。

本来、「預った消費税」から引くことができる「支払った消費税」は、課税売

上を計上するための支払いに係るものだけになります。

☆【生徒】

つまり、非課税売上があって、非課税売上を計上するための支出に伴い「支

払った消費税」は、課税売上により「預った消費税」から本来は引くことがで

きないということですね?

★【先生】

そのとおりです。

でも、課税売上割合が95%以上であれば、非課税売上を計上するために

「支払った消費税」は重要性がないという想定で、それも含めて「預った消

費税」から引くことを認めているのです。

☆【生徒】

なるほど。

逆に課税売上割合が95%未満になった場合には、非課税売上を計上す

るために「支払った消費税」は、消費税納税額を計算するに当たって除外

するわけですね?

★【先生】

そうです。

つづく

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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