週刊税務調査日記

どうしても納得がいかない調査 (6)

第324号 2008/11/14

税務調査の当日です。

道に迷いながら車で納税者の会社へ向かいます。

10時5分前に着きました。

調査官はすでに来ています。

会社にコピーの機械がないことから、コピー機を車に積んで持って来ていました。

30歳を少し出たくらいの調査官でしょうか。

挨拶をしても全く笑顔がありません。

何も初めから臨戦態勢を取らなくても・・・

■会計事務所

「今回の税務調査の目的を教えてください」

●税務署

「欠損金の繰り戻し還付の申告書をいただいたことから、調査に伺いました」

■会計事務所

「欠損金の繰り戻し還付をすると税務調査が必ず行われるのですか?」

●税務署

「そういうことはありません」

■会計事務所

「では、今回なぜ調査に入ったのですか?」

●税務署

「還付する税金が多額だからです」

■会計事務所

「役員報酬が過大であるということを我々が認めなかったから、その当てつけに調査に来たのではないですか?」

「そのような口ぶりだったようですが?」

●税務署

「そ、そんなことはないです」

「通常の調査です」

■会計事務所

「まぁ そんなことを言っても始まりませんから調査を始めてください」

●税務署

「早速ですが、直前期の売上高がその前の期の売上高の半分以下になっているのですが、どうしてですか?」

▲納税者

「私は下請けなのですが、元請けの会社が仕事を全く取れなくなってしまったからです」

●税務署

「そうなんですか・・・」

「それは大変ですね・・・」

▲納税者

「だから早く税金を返してくださいよ!」

「取るときだけ一生懸命やって、返すとなるとこれでは困ります」

つづく

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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