週刊税務調査日記

対立した調査 (9)

第97号 2004/2/9

調査があってからかなり時間が経っています。

5月はじめに初めての調査があり、もう6月の終わりです。

例年税務署の定期異動日は7月の10日です。

一般のの調査官はおよそ3年~4年で税務署を異動します。

一般の会社で課長クラスの統括官は2年で異動します。

ですから、通常は仕事を後に残さないように6月までには決着を着けてしまうものです。

もし、急遽異動となれば、やりかけの仕事を後任の人に引き継がさないとなりません。

異動の内示はおよそ4日前でなければないので、通常引継ぎなどできないわけです。

しかし、今回の調査官は違います。

決着を着けようという素振りさえありません。

その後、調査官からは何度か質問の電話がありました。

会計事務所が調査官から質問を受け、納税者に伝えて回答をもらうといった手順で質問に答えます。

●税務署

「得意先との以下の取引の内容を説明してください」

と言って質問事項をFAXで送ってきます。

■会計事務所

「分かりました。納税者から回答があり次第、ご連絡いたします。」

ここで、気になっていたことを聞いてみます。

「そろそろ異動の時期ですが、調査官は異動の可能性はないのですか?」

●税務署

「ありません」

「私は仙台国税局からの2年間の出向ですから、今年の異動はありません」

「ですから、腰を据えて調査したいと思っています」

■会計事務所

「なにも、腰を据えて調査をやっていただかなくても結構なんですが・・」

こうして質問、回答を繰り返しているうちに、もう9月のはじめです。

いったい税務署はダラダラした調査をいつまで続けるのでしょうか?

今までの質問・回答で問題となるようなことは何もありません。

こちらは、質問があれば適宜回答しおり、時間を引き延ばすようなこともしていません。

もう、調査官の個人的な感情によって調査しているとしか思えません。

納税者もたまったものではありません。

調査が終わるまで、誰でもいい気持ちはしないものです。

早く終わってくれることを期待しているはずです。

こちらも焦れてきました。

      To be continued 

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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