週刊税務調査日記

対立した調査 (8)

第96号 2004/2/2

若干もめた調査の立会いからしばらくして、納税者から連絡がありました。

▲納税者

「先生、税務署の人が私の取引先に行っているみたいですよ」

「取引先から、税務署の人が来ていろいろ聞かれたと言ってましたから」

「営業妨害っぽいですよね」

「何とかならないですか」

■会計事務所

「そうなんですか」

「これは反面調査ですね」

「税務調査では通常行われていますけどね」

「営業の妨げになるのであれば、遠慮してもらわなければなりませんよね」

「わたしの方から連絡しておきます」

▲納税者

「よろしくお願いします」

さっそく税務署に連絡してみます。

■会計事務所

「○○さんですか?チョッとお願いしたいことがあります」

「反面調査をやられているみたいですが、納税者から営業に支障があるとの連絡を受けました」

「その辺を慎重にお願いしたいと思いますが」

●税務署

「先生もご承知のとおり、反面調査は通常の税務調査の手続きですよ」

「別に私どもは営業妨害をするために反面調査をしているわけではありません」

■会計事務所

「いや、それは分かっているのですが、納税者が営業に支障がでると言っているわけですから・・・」

「その辺のことは理解して調査をしていただかないと困ります」

●税務署

「そんなこと分かっていますよ」

「ただ、必要な調査は当然継続して実施します」

■会計事務所

「それは構いませんが、納税者の営業を妨害するようなことがあれば、こちらとしても調査に協力することはできませんよ」

●税務署

「こちらは必要な調査手続きをとるだけです」

なんかとらえどころのない調査官です。

執拗な反面調査までやって、何を疑っているのでしょうか。

      To be continued 

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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