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週刊税務調査日記

衣料品店の調査(1)

第28号 2002/9/16

知人から事務所に電話があり、「個人でブティックを経営している女性がいるのだけれども、税務調査の連絡があって心配で夜も眠れないと言っている。調査に立ち会ってもらえないかな?」ということでした 。

依頼を了承して、調査当日です 。

■会計事務所

「はじめまして」と初対面の挨拶 。

まだ、調査官はお店に来ていません 。

そこでどのような帳簿があるのか聞いてみました 。

「申告の元となった帳簿を見せてください」

▲納税者

「はい、これです」と言ってルーズリーフの帳面を見せてくれました 。

■会計事務所

一応、売上と仕入と経費の記帳がしてあります 。

「売上は現金売上とカードですか?」

▲納税者

「そのとおりです。」

■会計事務所

「この帳面の売上は両方入っているのですよね?」

▲納税者

「いえ、現金売上だけです」

■会計事務所

「カード売上は?」

▲納税者

「カードの売上はカード会社から通帳に入金されますが、通帳に入金されるものは一切記帳していません」

■会計事務所

「ということは、カード売上は申告していないということですか」

▲納税者

「はい」

■会計事務所

「・・・・・・」

▲納税者

「先生、どうしましょうか?」

■会計事務所

「どうしましょうかって言われても・・・」

参りました 。完璧な売上計上漏れです 。

そこに「こんにちわ」と税務調査官が来ました 。

うら若き女性の調査官です 。まだ税務署に入りたてでしょうか 。

初々しいです 。

今回の調査は午後からです。通常は午前10時から始まるのですが 、納税者が要求したのか、午後始まりの調査です 。

売上計上漏れは通帳と帳面を見比べられたら一発で分かります 。

もうそうなったら仕方ありません 。

おそらく調査官は税務署に配属されたばかりで、実地研修ような形で1人で調査に来たのではないかと思われます 。調査なれはしていないようです 。

まずはお茶が出ました 。

早速、調査官に話し掛けます 。

「ブティックの調査は初めてですか?」

●税務署

「はい、はじめてです」

■会計事務所

「そうですか」

「店内にいろいろな洋服がありますけれど、どのようなのが好みなのかな~」

▲納税者

「こんなのが似合いそうね」

「若いから、ちょっと短めのワンピースが似合うわね」

■会計事務所

「どんな色が好きですか」

●税務署

「青が好きです」

■会計事務所

「青か~」

「青が好きな人は心がきれいな人だということを知っていますか?」

▲納税者

「え~。そうなの」

「じゃ、赤が好きな人はどんな人なの?」

■会計事務所

「赤はね・・・・・」とべらべら他愛もないことを話しつづけます 。

話している間に時間は過ぎて行きます 。

そうです。

「時間切れ。両者リングアウト」を狙っているのです 。

話して話して、調査官に仕事をさせない作戦です 。

疲れるな~

           To be continued. 

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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