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週刊節税教室

非上場株の贈与-税制改正から(1)

相続税・贈与税
第264号 2007/1/22

☆質問

「私は、会社を経営していて、おかげさまで業績も好調です」

「しかし、会社の株価が高くなり、将来の相続時に多額の税金を支払うの

ではないか不安です」

★回答

「会社の価値は株式にすべて反映され、上場していない中小企業の株式

についても、会社が高額な不動産を所有していたり、また業績が好調で利

益を出し続けた場合には、その評価額はかなりの額になります」

「そして、その株式が相続時には相続税の対象になり、高額な相続税を支

払うことになります」

「しかし、その株式は証券取引所で売却して現金化できるわけでもないの

で、納税資金に窮することがままあります」

☆質問

「そうですよね」

「それと、この会社はやはり息子にやってもらいたいので、他人に株式を売

却するわけにも行きません」

★回答

「そのとおりです」

「国も、その点の実情を少しは理解してまして、この平成19年度の税制改正

に盛り込まれています」

☆質問

「どのような内容ですか?」

★回答

「相続時精算課税制度の内容を拡充したものです」

「将来相続人になる者が、平成19年1月1日から平成20年12月31日までの

間に非上場株式の贈与を受ける場合、一定の要件を満たすと、60歳以上

の親から3,000万円までの贈与について贈与税がかからないとする改正が

予定されています」

☆質問

「今までの相続時精算課税制度とどう違うのですか?」

★回答

「贈与する親の年齢が65歳以上で、非課税の枠が2,500万円だったのが、

次に説明する一定の要件を満たすと60歳以上で3,000万円になるのです」

☆質問

「では、適用要件を教えてください」

★回答

「現在公表されている適用要件は以下のとおりです」

・会社の発行する株式総額の評価額が20億円未満であること

・次に2つの要件を贈与税の申告期限から4年経過時に満たしていること

  (1)受贈者が発行済み株式等の50%超を所有し、議決権も50%超有し

    ていること

  (2)受贈者が会社の代表者として経営に従事していること

☆質問

「なるほど、分かりました」

「ところで、この制度を使った贈与は、どのタイミングで行うのがよいのです

か?」

★回答

「どのタイミングで贈与を行うかは、会社の状況により違ってきます」

「毎期経常的に多額の利益が見込まれる会社であれば、早い時期に贈与

するのが得策です」

「なぜなら、将来的に株価が毎期毎期上昇するからです」

「株価が上がる前に贈与すれば、それだけ多くの株を子供に移せるからで

す」

「相続時精算課税制度で贈与した株式は、将来実際に相続が起きた時に

は、贈与した時点の評価額で相続財産として取り込まれますので、株価が

上昇すると見込まれる場合は、この制度を使うと有効な相続税対策となり

ます」

つづく

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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