週刊節税教室

借り上げ社宅

法人税、所得税
第247号 2006/9/11

☆質問

「数ヶ月前に新聞で、外資系の会社が借り上げ社宅を利用して従業員が堂

々と節税をしているという記事が出ていましたが、どのようなことですか?」

★回答

「簡単に言うと、今まで給料の中から支払っていた住宅家賃を、今度は会社

が支払って、その分会社からもらう給料を減らして税金の負担を少なくすると

いうことです」

☆質問

「なるほど」

「確かに、会社が家賃を払ってくれた分、給料が減っても同じことですものね」

「それに税金が安くなるのでしたら、手元に残るお金は増えることになります

よね?」

★回答

「そうですね」

「しかし、会社が負担する家賃の一部を従業員も負担する必要があります」

☆質問

「そうなんですか?」

「どのくらい負担すればよいのですか?」

★回答

「次の算式で計算された額の50%以上を負担すればよいのです」

家屋の固定資産税課税標準額×2/1000+12円×家屋の床面積÷3.3平米

    +土地の固定資産税課税標準額×2.2/1000

☆質問

「何か、ピンと来ないですね」

「だいたい家賃の何割くらいなのですか?」

★回答

「地域により違いはありますが、家賃の2割~4割くらいではないでしょうか」

☆質問

「ということは、年収1,000万円の人が年額300万円の家賃を支払っていた場

合、給料を年額700万円にして会社が300万円の家賃を支払い、従業員が家

賃2割である60万円程度を負担すればよいということですね?」

★回答

「そういうことですね」

☆質問

「他に何か注意することはありますか?」

★回答

「社会保険及の計算で注意することがあります」

☆質問

「どのようなことですか?」

★回答

「社会保険では、都道府県別に1平米あたりの標準の賃料が定められており、

これを基に社会保険上の家賃を計算します」

「そして、これと本人から徴収している自己負担家賃を比較して、自己負担家

賃の方が高ければ問題ありませんが、もし社会保険上の賃料の方が高けれ

ば、その差額分だけ保険料計算の対象となってしまいます」

☆質問

「つまり、実際に支給されている給料より多い金額で保険料の計算をしなけ

ればならない場合があるということですね?」

★回答

「そうです」

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公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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