週刊なるほど!消費税

国内/国外取引(5)

第30号 2003/06/23

【先生】

 前回まで工業所有権、著作権という権利の譲渡・貸付にかかる

内外判定についてみてきました。

 今回は有価証券と金銭債権について見てみましょう。

【生徒】

 ・・・なんか難しそう・・・

【先生】

 イメージしてみれば分かりやすいでしょう。

 有価証券といえば代表例は株ですね。有名どころでは国債や

社債、地方債。他にも例えば抵当証券、登録国債。有限会社な

どへの出資持分も含んで考えます。

 金銭債権は貸付金や売掛金などお金の債権です。

【生徒】

 株かぁ・・・安いから買い時かなとも思うけど、税制が変わって

税金の計算がすごく面倒になったんですよね。

【先生】

 そんな時には『六平太の新証券税制活用術』を読んでみましょう。

新税制を分かりやすく解説してますよ!

 と、宣伝はさておいて本題です。

 まずは株や国債・社債、抵当証券です。

 これらはその有価証券の譲渡又は貸付時に所在していた場所で

内外判定をします。

【生徒】

 つまり株があった場所ってことですか?

【先生】

 そうです。有価証券は証券が発行されていることが前提ですから、

その証券があった場所で判断します。

 次に登録国債についてですが、登録国債とは国債登録簿に氏名・

債権額を登録するだけで、証券を発行しない国債ことです。

【生徒】

 それなら証券の所在場所では判断できないですね。

【先生】

 そうです。そのため登録国債は登録をした機関の所在地で判定

します。

 また同様に、有限会社等の出資持分も通常証券が発行されません。

この場合にはその持分にかかる法人の本店、又は主たる事務所の

所在地で判定します。

【生徒】

 日本にある法人なら国内取引ですね。それは分かりやすいなあ。

【先生】

 続いて金銭債権ですが、まずちょっと補足します。

 貸付金や売掛金は普通相手からお金を回収しますが、その回収

する権利を譲渡することがあります。自分の債務返済に充てるため

や、資金繰りのためなどですね。実はカードでの買い物もこの債権

譲渡の範疇に入ってきます。

 この金銭債権では、その金銭債権にかかる債権者の譲渡に係る

事務所等の所在地で内外判定します。

【生徒】

 債権を売るほうの事務所の所在地ですね。

【先生】

 そうです。債権の相手先ではありません。

 最後にゴルフ場利用株式等について。

【生徒】

 ゴルフ場利用株式?

【先生】

 つまりゴルフの会員権のことです。この場合はその証書の所在

地ではなく、ゴルフ場の所在地で判定します。国内のゴルフ場なら

国内取引ということですね。

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