週刊税務調査日記

先物取引にかかる調査 (2)

第426号 2016/7/15

●税務署

「取引報告書を見ると、ひとつの取引でかなりの利益が出ていますね?」

★納税者

「そうですね。利益が出ないと困りますしね。」

●税務署

「こうして会社で出た利益は、給与や賞与という形で役員や社員に支払っているのですね?」

★納税者

「そうです」

●税務署

「現在給与を支払っているのは、社長と社長のお母様ですかね?」

★納税者

「そうですね」

●税務署

「お母様も会社で先物取引をやられているのですか?」

★納税者

「やってますよ」

●税務署

「今日は会社にいらっしゃいますか?」

★納税者

「いえ、会社には来ていません」

●税務署

「会社に来なくても先物取引はできるのですか」

★納税者

「パソコンやスマホがあればどこでもできます」

●税務署

「お母さんが実際に取引をしているという証拠を見せてもらえますか?」

★納税者

「証拠ですか?このアカウントの取引報告書が母の分です」

●税務署

「社長の分はどれですか?」

★納税者

「私のアカウントはこれですから、この取引報告書になります」

●税務署

「ん~ これは母、これは社長と言われても、実際の所どうかわからない

ですよね」

★納税者

「母のアカウントで私が取引したり、その逆もあるということですか?」

●税務署

「そうですね」

★納税者

「いや、信じていただけないのなら仕方がないです」

「私の言うことが信じられないのなら、もうこれ以上調査を続けても仕方がないでしょう」

つづく

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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