週刊税務調査日記

発生主義にこだわる調査 (3)

第421号 2015/11/25

●税務署

「先生もご承知のとおり、売上の計上は発生主義でないとダメですよね?」

■会計事務所

「今回のケースでは、入金ベースが実態を反映しているのではないですか?」

●税務署

「いや~ 私はそうは思いません」

■会計事務所

「設計が終了してから半年、1年後に入金がある状態で、設計終了時に売上を計上して、担税力(税金を負担する能力)があるとお思いですか?」

●税務署

「・・・・」

■会計事務所

「お金をもらっていないのに税金を払えというのも、現実的ではないですよね」

●税務署

「まぁ 確かにそうですけれどね・・・」

■会計事務所

「割賦販売の場合には、入金時に売上計上することも税法上認めていますよね?」

●税務署

「それは一定の要件を満たせばですが」

■会計事務所

「今回のケースは、それと同じ状況だと思いますけど」

●税務署

「・・・・」

■会計事務所

「売上計上の件は譲れませんので、理解していただくより他にありません」

実地調査は、こうして終わりました。

その後、税務署と売上計上で同じようなやり取りがありましたが、結局売上の件は、修正することなく終わりました。

終わり

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

無断転用・転載を禁止します。

本メールマガジンに掲載されている著作物に対する以下の行為は、著作権法上禁止されており、著作権侵害になります。

  • ○著作物を、私的利用の範囲を超えて権利者の許可なく複製する行為
  • ○著作物を、インターネット上で公衆が取得可能な状態にする行為
  • ○著作物の全部もしくは一部を権利者の許可なく改変する行為