週刊税務調査日記

身内に対する給与(2)

第415号 2014/12/26

 会社で作ったホームページのモニターということで、社長の両親に毎月20万円支払っていることが問題になっています。

 調査官は、この場で両親に電話したいと言っています。

★納税者

「私の両親に今電話するのですか?」

●税務署

「そうです」

★納税者

「電話してどうするのですか?」

●税務署

「どのようにモニターをしているのかを聞きます」

★納税者

「ちょっと電話するのは・・・・」

■会計事務所

「この場で電話するのは勘弁してください」

「両親ともかなり高齢で、突然税務署の人から電話されたらかなり驚かれると思いますよ」

●税務署

「しかし、モニターをしたことによる成果物が何もないと、私も確認のしようがないのです」

「ですから、電話で直接確認をすると言ったわけです」

■会計事務所

「成果物がないから直接確認するというのはチョット性急すぎませんかね」

「親子ですから、いちいち文書で報告するより、会って直接話を聞く方が現実的な気もしますが」

●税務署

「でも報告書がないと私たちが確認できません」

■会計事務所

「確認できませんって、税務署の方が確認するために報告書を作るわけではないですよ!」

●税務署

「そうであるなら、直接電話して確認しますと言っているんですよ!」

この繰り返しで、押し問答になってしまいました。

結局、社長の両親にはその場で電話はしませんでした。

しかし、意地の悪い調査官であれば、署に帰って電話するケースも無きにしも非ずです。

身内に仕事を頼んだら、目に見える形でその形跡を残しておくことが、後のトラブル防止になります。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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