週刊税務調査日記

無利息貸付が問題となった調査 (4)

第358号 2010/2/15

統括官から電話があり、お互いすっきり調査を終わらすために文書で無利息貸付が問題ない理由をくれと言っています。

「すっきり調査を終わらすために文書を出せ!」 と言うのは何事でしょうか?

まるっきり意味が分かりません。

◆所長

「すっきり終わらせるために何で文書が必要なのですか?」

●税務署

「まぁ そこはその文書をいただければもうおしまいということで終わりになりますので、ぜひいただきたいと思います」

◆所長

「では文書を出さなければすっきり終わらないということですね?」

思わず笑い出したくなりましたが、相手は本気で言っているようです。

●税務署

「ん~ すっきり終わらないこともないですけれど、出していただければすっきりと・・・」

◆所長

こんなわけの分からない会話に付き合っている暇もありませんので、会話を終わらせます。

「わかりました」

「統括のおっしゃるように、すっきり終わらせるために文書を出します」

●税務署

「そうしてもらえると、助かります」

まったくあきれた話ですが、仕方なく文書を書きました。

文書のはじめに「調査をすっきり終わらせるためという御署よりの要求により提出する文書であります」と但し書きを記載して統括官に送りました。

文書を送った後に税務署からは連絡の一本もありません。

人に物を頼んでおきながら調査終了の連絡もないのです。

この不況で納税者も税理士も必死こいて働いているのに、何か違和感を感じざるを得ない税務署の対応でした。

一生懸命にやっている調査官がかわいそう・・・

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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