週刊税務調査日記

JVの調査 (1)

第352号 2009/10/29

建設会社に税務調査が入りました。

特に指摘事項もなく順調に調査は進んでいます。

●税務署

「株式会社N建設からの入金額は、どのような取引になりますか?」

▲納税者

「あ~それは当社とN建設とのJV(Joint Venture:共同企業体)です」

●税務署

「ジョイント ベンチャーですね」

▲納税者

「そうです、役所の仕事を共同で受注したということです」

●税務署

「入金された金額は、どのような性格のものですか?」

▲納税者

「当社の取り分です」

●税務署

「取り分?」

▲納税者

「そうです」

●税務署

「前受金で経理処理していますけれど、取り分であれば売上に計上すべきではないですか?」

▲納税者

「いや、工事はまだ終わっていませんから」

「売上を計上するのは、工事が完成して引渡しをした時点になります」

●税務署

「なるほど」

▲納税者

「今回のJVでは、親がN建設で、当社が子です」

●税務署

「親と子とは、どのようなことなのですか?」

▲納税者

「工事を実質的に担当するのが親であるN建設で、当社は今回の案件では形だけのJV参加となります」

●税務署

「形だけの参加ですか・・・」

つづく

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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