週刊税務調査日記

税務調査と監査

第241号 2007/1/15

税務調査の立会いをしていると、20年前の監査の仕事を思い出します。

税務調査は、納税者の所に行って、税金が税法に則って計算されているかを調べる仕事です。

公認会計士の監査も、会社の決算書類が会計基準に則って作成されているかどうかを調べる仕事で、共通点があるのです。

私は、23歳で公認会計士2次試験に合格し、外資系の会計事務所に入所しました。

すぐに監査の現場に駆り出され、右も左もわからないまま必死になって監査の仕事をしていました。

税務調査の立会いでも、まだ若い調査官が必死になって調査をしている姿を見ると、昔の自分の姿が思い出されます。

調査官は2~3日ごとに違う納税者と相対します。

会計士も数日、又は1週間ごとに関与先のところへ行って監査をします。

税務調査の手法と監査の手法は、共通しているところもかなりあります。

税務調査で必ず見られる「期ずれ」は、監査でも必ず見ます。

「期ずれ」とは、本来今期に計上されていなければならない売上や仕入、経費などが、翌期にずれ込んで計上されていたり、また本来翌期に計上されるべきものが、今期に計上されているようなケースを言います。

税務調査は、この「期ずれ」を見つけることにより税金を追加で取ろうとするものです。

一方、監査では「期ずれ」がないことを確認して、決算上の利益の妥当性を検証するのです。

振り返ってみると、監査は大変でした。

根気仕事です。

税務調査も大変だと思います。

私のような言うことを聞かない税理士の立会いもありますし・・・

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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