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週刊税務調査日記

貸倒れをめぐる調査 (4)

第209号 2006/5/22

担当者が税務調査の立会から帰って来ました。

■会計事務所(担当者)

「所長、私のミスで大変なことになってしまいました」

■会計事務所(所長)

「大変なことって?」

■会計事務所(担当者)

「すみません」

「会社で債権放棄通知書を出していなかったんです」

「それを調査で指摘されました・・・」

■会計事務所(所長)

「ええ・・・・・」

■会計事務所(担当者)

「すみません」

「私が確認すればよかったのですが、確認もしないで・・・」

「会社が払うペナルティーは、私の給料から引いておいてください」

■会計事務所(所長)

「そんなことはしないけれども、事の詳細をもう一度教えてくれるかい?」

■会計事務所(担当者)

「はい、会社は破産申し立ての状態で、会社としては既に破綻状態のようです」

■会計事務所(所長)

「そうしたら法律上の債権の消滅ではなくて、会計認識上の貸倒という方向で何とかならないかね?」

■会計事務所(担当者)

「会計認識上の貸倒ですか?」

貸倒とは、売掛金などが回収不能になった場合に、貸倒損失として損金計上することを言います。

税法上、貸倒損失として処理できる要件として、債権放棄や会社更生法などによる債権の切捨てといった法律上債権が消滅した場合と、債務者の資産状況や支払い能力からみて全額が回収できないといった会計認識上の場合があります。

債権放棄によって法律上の債権を消滅させて、売掛金を貸倒損失としようとしたのが失敗したわけですから、今度は会計認識上、その得意先が破綻状態にあったということを証明して、何とか貸倒損失を全額損金に計上できるように対策を講じる訳です。

■会計事務所(所長)

「得意先が前期末において既に破綻状態であったことを税務署に証明すればいいんじゃない?」

「そんな簡単に諦めるのではなくて、何とかしようよ!」

■会計事務所(担当者)

「はい・・・」

To be continued 

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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