週刊税務調査日記

担当者が怒った調査(3)

第147号 2005/2/14

納税者と立ち会っている会計事務所の女性担当者を前に、横柄な態度をとっている調査官の調査が続きます。

●税務署

「源泉徴収簿ある?」

▲納税者

「源泉徴収簿ですか?」

■会計事務所

「賃金台帳のことです」

▲納税者

「ああ 分かりました・・・」と言って調査官に賃金台帳を渡します。

●税務署

「チョッと彼女、この賃金台帳から月別の給与の合計を集計してもらえる?」

■会計事務所

「は はい・・・」と言って、担当者は給与の集計を言われたままに引き受けてしまいます。

調査の立会いが初めてなので仕方ありませんが、通常は調査官のお手伝いみたいなことは会計事務所はしません。

依頼した調査官は、足を組んで出されたコーヒーをすすってふんぞり返っています。。

調査に立ち会っている会計事務所の担当者が調査官の部下のようになってしまいました。

さらに調査官の指令が続きます。

●税務署

「ここのところをコピーしてくれる?」

「次は、これとこれを書き出してくれるかな?」

会計事務所の担当者と納税者を部下のように使っています。

そして、時折脅しともいえるような言い方をします。

「この取引の契約書を見せてくれる?」

▲納税者

「はい」と言って、契約書を探します。

なかなか見つかりません。

●税務署

「まだ見つからないの?」

▲納税者

「はい・・・おかしいな、ここにあるはずなのに・・・」

●税務署

「おかしいな?」

「これが見つからないと大変なことになるよ!」

「私はどうなっても知らないよ!」

すごい言い方です。

納税者はもうびくびくしています。

調査官に言いたい放題、やりたい放題やられて1日目の調査は終わりました。

調査官は、ろくに挨拶もせずに「じゃぁ また明日」と言って胸を張って帰って行きました。

▲納税者

「税務調査って怖いものですね・・・」

■会計事務所

「いや、チョッとあの調査官は言いすぎ、やりすぎだと思います」

「今日事務所に帰って、所長に今日のことを報告してみます!」

女性担当者も怒っています。

To be continued 

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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