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週刊税務調査日記

しりつぼみの調査 (7)

第121号 2004/7/26

税務署は故人の配偶者が働いたことがない、つまり配偶者に収入がないということで、配偶者名義の財産を夫である故人の財産であると認定しました。

しかし、相続人である長男に電話でこの旨を告げると、実際は働いていないのだけれども、故人が代表を勤めていた同族会社から給料をもらっていたと言い出しました。

■会計事務所

「でも、調査官に対してお母さんは働いたことがないと言っていましたよね」

▲納税者

「ええ、確かに働いたことはないのですが、父の会社から給料が出ていたと思います」

■会計事務所

「そうなんですか」

「これは重要なポイントなんで、お父さんが経営していた会社の経理の人に確認していただけますか?」

▲納税者

「ええ、今確認して折り返しお電話いたします」

■会計事務所

確かに実質的に同族会社で働いていなくても、同族会社から身内に給料を支給しているケースはよくあります。

建前としては同族会社で働いていない身内に給料を支払うことはできません。

また、給料を支給したとしても、勤務実態がないと税務上支給した人の給料として認められないことになります。

しかし、税務上はこのような扱いであっても、事実として同族会社からお母さんに給料が支払われていたとなると、お母さんに財産があっても不思議ではありません。

そうなると、「お母さんは無収入だから、お母さん名義の財産が形成されるはずがない」という税務署の理屈は成り立たなくなってしまいます。

これが本当なら「9回裏2アウト逆転満塁ホームラン」、又は、「12回最終ラウンド残り15秒、左クロスカウンターでの逆転ノックアウト」といった感じになってしまいます。

チョッと面白くなってきました。

納税者から折り返しの電話がありました。

▲納税者

「いま、会社の経理に確認した結果、母に給料が1年前くらいまで出ていたということです」

■会計事務所

「そうですか。いつくらいから給料が出ていたか分かりますか?」

▲納税者

「相当昔から出ていたみたいです」

これは大変です。

前提条件がまるっきり違ってきました。

To be continued 

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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