週刊税務調査日記

調査が終わって寝込んだ調査 (6)

第114号 2004/6/7

調査官が帰った後の納税者との会話です。

▲納税者

「いや~ 参った、参った」

■会計事務所

「参りましたね」

▲納税者

「分かっちゃうかな?」

■会計事務所

「ん~。輸入仕入の総勘定元帳のコピーを持って行きましたからね・・・」

▲納税者

「いくらくらい追加で払うようになるの?」

■会計事務所

「かなりの額になりますよ」

「うちの処理ミスについては本当にすみません」

▲納税者

「ん~。6時頃に先生の事務所に連絡するって言っていたよね?」

■会計事務所

「確かにそう言っていましたね」

「通常は、こんなに早く結論を知らせてこないんですけれどね」

「まだ新人の調査官だからかな」

「いずれにしても連絡が入り次第、お伝えします」

こうして、納税者宅を後にして、事務所へ帰ります。

「気が付からなければいいんだが・・・」が本音です。

納税者も気が気でないでしょう。

事務所に到着しましたが、落ち着きません。

時計の針はもうすぐ6時になります。

そこに電話のベルが鳴りました。

息を呑んで電話に出ます。

●税務署

「調査官の○○です」

「これで調査は終了します」

「ありがとうございました」

「ありがとうございました」は、こちらです。

調査官の顔が天使のように思えました。

「あぁ~ 神はやはりいたんだ・・・」

急いで納税者に電話をします。

■会計事務所

「調査、これでおしまいです」

▲納税者

「え、本当に!」

「あ~ 良かった」

私はその晩から熱を出して寝込みました。

後で聞いたところ納税者も同じく寝込んだということです。

天使様からもらった風邪で2人ともダウンしたようです。

こんな思いをしないように、日頃から適正な取引と経理処理をしなければなりません。

反省!

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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