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週刊税務調査日記

対立した調査 (13)

第101号 2004/3/8

調査官が自分ですでに調べたことを会計事務所に知らさないで、同じ作業を会計事務所と納税者にやらせて、「他にもっとあるはずだ」というようなことがあったために、「あとは勝手にやってください」と言って電話を切りました。

たった一人の個人事業主の調査に膨大な時間を使い、関係先に反面調査を行い、その結果ほとんど指摘されるようなことはありませんでした。

調査着手から5ヶ月が経っています。

課税の公平があるように、調査の公平もあってしかるべきです。

調査官の個人的な感情で調査をやられたのでは一般の納税者はたまったものではありません。

「もう勝手にやってください」と言ってから1ヶ月が経ちました。

もう11月です。

突然調査官より電話がありました。

●税務署

「これから先生の事務所にお伺いしたいのですが」

■会計事務所

「例の件のことですか?」

●税務署

「そうです」

「少しの時間ですから、お伺いさせてください」

■会計事務所

「分かりました」

調査に着手してこれだけ決着が遅れると、署内でも都合が悪くなります。

かといって、調査で更正決定できるような問題点は出ていませんので、調査官としても幕引きができない状況でしょう。

納税者から修正申告をもらわないと終わらない状況です。

約束の時間に調査官が事務所に来ました。

税務調査官が会計事務所に来ることはめったにないことです。

●税務署

「この度はご迷惑をおかけしまして、大変申し訳ございませんでした」

「以前、自主的にピックアップしていただいた生活用支出の件だけで結構ですので修正申告をお願いできないでしょうか?」

■会計事務所

やはり、予想していたとおりです。

「納税者にその旨を伝えまして、後日ご回答いたします」

●税務署

「お願いいたします」

調査官が帰った後に納税者に連絡しました。

■会計事務所

「調査官が事務所に来て、修正申告をしてくれと言っていますがどうしますか?」

▲納税者

「確かに自分の生活用に使ったものもあるかと思いますから、それを正すのは仕方ないと思いますよ」

「ただ、あの調査のやり方は気に食わないですよね」

「先生はどう思いますか」

■会計事務所

「確かに、今回の調査官は性格的にチョッと問題がありますよね」

「納税者が怒るのも仕方ないと思います」

「ま、事務所に来て謝罪してましたから、今回はこれで終わりにしたらいかがですか?」

▲納税者

「先生がそ言うなら、いいですよ」

というわけで、12月に入ってから修正申告の提出をしました。

調査から7ヶ月が経過していました。

やはり、調査も個人的な感情抜きで公平にやってもらいたいものですよね。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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