週刊税務調査日記

別室に連れて行かれた調査(6)

第48号 2003/2/17

通常、納税者や税理士に対して応対する場所は各部門の前に設置されている簡易に仕切ってある応接です。

今回は、大勢の人の中にあるそのような応接ではなく、外部から隔離された個室で統括官と調査官に相対しています。

もともとこのような場所に我々を引き込んだということは、

「ここで一発ねじを巻いてやれ」ということでしょう。

この調査は私の駆け出しの時でしたので、このような場所にのこのことついて行ってしまいました。

統括官の恫喝じみた発言は続きました 。

●税務署(統括)

「とにかく、筋の通らない説明は一切受け付けない」

「仕掛工事の件でも、外注先が期末近くにした仕事はすべて未完成なんでしょ?」

「工事日報は付けているんでしょ?」

「日報がないなんて言わせませんよ」

「日報を見れば一目瞭然じゃないですか」

「税務署をなめるじゃない!」

■会計事務所

「なんで、そういう言い方をするんですか」

「もっと落ち着いて話したらいかがですか?」

●税務署(統括)

「私は、これが普通ですよ。これが普通の話し方です 。」

「とにかく、いいかげんなことを言うのは止めてちゃんと説明してよ」

社長は、ことの展開に動転して何も言うことはできません。

「先生、もう一度調査します 。」

「いつがいいですか?」

■会計事務所

「社長、もう一度調査するんですって、どうしますか?」

▲納税者

「いつでもいいです・・・」と虫の鳴くような声です 。

●税務署(統括)

「では来週の水曜日の午後に伺います」

To be continued. 

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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