週刊節税教室

平成21年度税制改正大綱 (1)

法人税
第351号 2008/12/17

☆質問

「12月12日に平成21年度税制改正大綱が自民党から発表されましたよね?」

★回答

「はい、法人税では前回お知らせした法人税率の引き下げと欠損金の繰戻還付が明記されました」

☆質問

「法人税率は何%に引き下げられましたか?」

「資本金が1億円以下の法人について、所得800万円以下の税率が22%から18%に引き下げられました」

☆質問

「所得が700万円の中小企業の場合、この4%の税率引き下げがどのくらい税額に影響するのですか?」

★回答

「まず法人税が700万円×4%で28万円安くなります」

「そして、法人住民税は法人税に17.3%の税率が掛けられますので、28万円×17.3%で、4万8,400円だけ安くなります」

☆質問

「ということは、法人税が28万円と法人住民税が4万8,400円の合計32万8,400円税金が安くなるということですね?」

★回答

「そのとおりです」

☆質問

「この改正はいつから適用されるのですか?」

★回答

「平成21年4月1日から平成23年3月31日までの間に終了する各事業年度からです」

☆質問

「ということは、一番早く適用できる法人は、4月決算の法人ということですか?」

★回答

「そうですね」

「3月決算の法人は、再来年の決算で始めて適用されますが、4月決算であれば、来年の決算で税率引き下げの恩恵を受けることができます」

☆質問

「今回は4月決算が得ですね?」

★回答

「そうですね」

☆質問

「欠損金の繰戻還付も前回の説明どおり決まったのですね?」

★回答

「そのとおりです」

でも、私が書いている税務調査日記のような税務署の対応では困りものです。

下記を一度目を通してみてください。

              ↓

週刊税務調査日記

第319号《どうしても納得がいかない調査》(2008/10/1) 

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◆◆◆  本年もご愛読ありがとうございました!  ◆◆◆

12月12日に発表された平成21年度税制改正大綱は減税一色のものとなりました。

法人税率を下げ、住宅ローン控除を厚くし、自動車購入時の税金も安くし、

不動産市況をてこ入れする減税も盛りだくさんです。

私が特に注目するのは、やはり中小法人の法人税率の引き下げです。

800万円以下の所得に対する税率を22%から18%に引き下げた改正です。

個人の所得税・住民税はそのままで、法人の税率だけを引き下げたのですから、個人事業より法人事業の方が今まで以上に有利になったのです。

つまり法人化の節税がより効果的となったということです。

住宅ローン減税は、銀行の融資姿勢が緩まないと不動産のてこ入れには実効性が低いでしょう。今現在の融資はかなり狭き門となっています。

来年はかなり厳しい年になります。

税金を含めた経済の動向を注視する必要があります。

これからも有用な税金情報を提供してまいりますので、このメルマが及びアトラス総合事務所をよろしくお願いいたします。

良い年をお迎えください。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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