週刊節税教室

工事進行基準の適用(4)

法人税
第336号 2008/8/6

☆質問

「工事進行基準が適用されると、売上高が工事の進行度合いに応じて計上されることになりますが、売上高が計上されれば同時にその請求権である未収入金も計上されますよね?」

★回答

「そのとおりです」

「簿記では、売上高が計上されれば売掛金や未収入金という債権が同時に計上することになります」

「仕訳でいうと

   未収入金 ××× / 売上高  ×××

                 となります」

☆質問

「この未収入金は貸倒引当金の対象にならないのですか?」

★回答

「貸倒引当金ですか?」

「よく勉強していますね」

「今回の改正により、過去の貸倒実績率や法定繰入率でもって貸倒引当金の額を計算する、一括評価金銭債権にかかる貸倒引当金の対象となりました」

☆質問

「貸倒引当金が計上できるとなると、決算で貸倒引当金の繰入額を損金とすることができて、節税になりますね?」

★回答

「そのとおりです」

「赤字の工事であれば、工事進行基準を適用することにより、工事による損失の前倒しができて、かつ、売上高と同時に計上する未収入金に対して貸倒引当金を計上できるわけですから、更に損の上乗せができことになります」

☆質問

「なるほど」

「今回の工事進行基準の改正は、節税にとってはよいことばかりの改正であったわけですね?」

★回答

「特に赤字の工事に対してはそういえます」

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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