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週刊節税教室

移転価格税制

法人税
第237号 2006/7/3

☆質問

「武田薬品が海外に1,200億円もの所得を移転して、大阪国税局から570億

円の税金を追徴されたと新聞に出ていました」

「また、ソニーも複数の海外子会社に所得を移転したとして、279億円の税金

を追徴されていると報道されていました」

「立続けにいったいどうして、このような多額の税金を追加で支払えと言われ

ているのですか?」

★回答

「それは移転価格税制によるものです」

☆質問

「移転価格税制?」

「それってどんな税制ですか?」

★回答

「法人税で定めれている制度です」

「日本の法人が、海外にある子会社などを利用して、本来日本の法人が計

上すべき所得を、海外の子会社などに移転することを防ぐ税制です」

☆質問

「所得を海外に移転するといっても、どのように移転するのですか?」

★回答

「日本の法人が、海外子会社に商品を売り上げるケースを例にしましょう」

「日本の法人が通常は100で販売している商品(原価60)を、海外子会社に

70で販売するとします」

☆質問

「はい、そうすると日本の法人は100で売れば本来40の所得(100-60)があ

るはずなのに、70で売るから10の所得(70-60)しかあげられません」

「差額の30の所得(40-10)がなくなってしまったということですね」

★回答

「そして、海外子会社はその商品を100で第三者に売却したとします」

☆質問

「海外子会社は、70で日本法人から買った商品を100で売却したのだから

差引30の所得になりますよね」

★回答

「そうです」

「本来日本の法人に帰属すべき所得30が、海外子会社に安く売ることで、

海外子会社にその所得が移転したことになるのです」

☆質問

「なるほど」

「このことを所得の移転というわけですね?」

★回答

「そうなのです」

「このようなことが自由にできてしまうと、税金の安い国に所得を意図的に

移転したりすることができ、本来日本で払うべき税金の徴収ができなくなっ

てしまうのです」

☆質問

「そうですか」

「それで、移転価格税制では先ほどの例のような場合、どのようにして日本

の法人に課税するのですか?」

★回答

「日本の法人が海外子会社に70ではなくて100で売り上げたとして、差額

の30の所得に対して税金をかけるのです」

☆質問

「なるほど」

「でもそうすると、海外子会社でも30の所得に対して海外で税金がかかる

わけですから、日本と海外で2重に税金がかかってきてしまうのではない

ですか?」

★回答

「海外子会社では、逆に30の所得は減額処分されて、2重に税金がかか

ることはないように手当てされています」

なお、アトラス総合事務所のホームページで、役員報酬の改正について

解説していますので、ご覧になってください。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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