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週刊節税教室

LLPと組合損失

法人税・所得税
第232号 2006/5/29

☆質問

「仕事仲間がLLP(有限責任事業組合)の設立に参加するようにと言って

きました。」

「私は、自分ひとりでやっている小さな会社を持っているのですが、私個

人としてLLPに参加した方がよいのか、会社でLLPに参加した方が良いの

か迷っています」

★回答

「なるほど」

「LLPの組合員として参加するのに、個人か法人かで悩んでいるのですね?」

☆質問

「そうなんです」

「実際にLLPに参加して動くのは私なので、参加形態は個人でも法人でも構

わないんです」

★回答

「LLPの最大の特色は、組合の利益や損失が、組合員の所得にプラスマイ

ナスされて税金が計算されることです」

☆質問

「LLP自体に課税されないで、組合員に課税されるということですね?」

★回答

「そうです」

「ですから、組合員になろうとする個人と法人の税金に対する影響を、まず

考えなければなりません」

☆質問

「なるほど」

「ではまず、LLPで利益が出た場合はどうなりますか?」

★回答

「法人で今現在利益が出ていれば、LLPの利益はその法人の利益の上乗

せになります」

「個人で給与をもらっている場合も、個人の所得の上乗せになります」

☆質問

「今より、税金が増えてしまうということですね?」

★回答

「そうです」

「逆に、今現在法人が赤字で、過去からの繰越損失もかなりある状況では、

LLPの利益はそれらの損失と相殺されて、損失の有効利用ができるわけで

す」

「ですから、LLPで利益が出るようであれば、今現在の会社の赤字額や繰

越損失の額が多いか否かも重要な判断基準となります」

☆質問

「なるほど」

「では、LLPで損失が出た場合はどうなりますか?」

★回答

「LLPの損失は、無条件に組合員の所得に取り込むことはできません」

「組合員の出資金額を元として計算した調整出資金額の範囲内でしかLLP

の損失額を取り込むことができません」

☆質問

「LLPの損失が300万円で、調整出資金額が100万円だとすると、組合員

の所得に取り込まれる損失は100万円だけということですか?」

★回答

「そのとおりです」

☆質問

「LLPの残りの損失200万円はどうなってしまうのですか?」

★回答

「個人組合員については、その損失は切り捨てられてしまいます」

☆質問

「法人組合員についてはどうなんですか?」

★回答

「法人組合員については、残りの損失200万円は繰り越されて、次年度以

降の法人の利益と相殺することができるのです」

☆質問

「調整出資金額を超えるLLPの損失は、個人組合員だとその年で切り捨て

られて、法人組合員だと次期以降に繰り越されて、将来の法人の利益と相

殺できるということですね?」

★回答

「そういうことです」

「そう考えると、法人が組合員になった方が有利かもしれません」

なお、アトラス総合事務所のホームページで、役員報酬の改正について

解説していますので、ご覧になってください。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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