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週刊節税教室

修正申告ができない?

所得税・法人税
第220号 2006/2/27

☆質問

「小さな会社を経営しています」

「会社には多額の繰越欠損金がありましたが、前期で繰越期限が来

てしまい、かなりの額の繰越欠損金が今期に繰り越すことができずに、

切捨てとなってしまいました」

★回答

「それはもったいないことをしましたね」

「繰越欠損金は欠損が出た後の期間の利益と相殺できるものですか

ら、それが期限(7年)が来て切り捨てになってしまうと、何か損をした

ような気がするものです」

☆質問

「ところで相談なのですが、今期に入って前期の経理ミスが判明しま

した」

★回答

「どのような経理ミスですか?」

☆質問

「売掛金(売上)の計上漏れです」

「本来前期に計上すべき売掛金(売上)の計上を忘れていました」

「今期にその分を売上計上すると、今期の利益が増えて税金も増えて

しまいますので、前期の売上としたいのですが?」

★回答

「前期は、多額の繰越欠損金があることから、前期の売上が増えても

その分の利益と繰越欠損金が相殺されて、追加で税金を支払わなく

て済むからですね?」

☆質問

「そうです」

「前期の修正申告書を税務署に出せば良いのですよね?」

★回答

「通常はそうなりますが、今回のケースでは修正申告書を税務署に提

出することはできません」

☆質問

「えっ そんなバカな 何で前期分の修正申告をできないのですか?」

★回答

「税法の規定に従うとできないんです」

「国税通則法という法律に規定されています」

☆質問

「国税通則法って何ですか?」

★回答

「国税通則法とは、法人税や所得税などの国税に関する法律の基本的

な事項や共通的な事項を定めた法律です」

「修正申告や時効、延滞金などの各種ペナルティーなどを規定している

法律です」

☆質問

「その法律に、今回のケースは修正申告できないと書いてあるのです

か?」

★回答

「そうなんです」

「国税通則法第19条に、修正申告できるケースが定められているのです

が、今回のケースはそのいずれにも該当しないのです」

☆質問

「具体的に教えてください」

★回答

「通常修正申告をすると、追加で納税が発生したり、欠損金が減ったりし

ます」

「今回のケースでは繰越欠損金が前期で切捨てになることから、最終的

な欠損金額はゼロになります」

「前期の売上を増やす修正を加えても、切り捨てられる欠損金額が減る

だけで、最終的な欠損金額は切り捨てられてゼロになり、修正申告をし

ても結果が変わらないのです」

☆質問

「修正申告をしても結果が変わらないから修正申告書を提出できないと

いうことですね?」

★回答

「そのとおりです」

☆質問

「そうすると前期の売上計上漏れは、どのように税務上修正したらよい

のですか?」

★回答

「ん~ どうしたらよいのでしょうか?」

「本来修正申告ができれば、前期の繰越欠損金と相殺して税金は出な

いのですが、今期の売上に計上すると税金がかかってしまいます」

「税務署に聞いたところ、前期で売上を計上していれば問題なかったの

だから、今期売上計上して税金がかかっても仕方ないのでは、と言われ

ました」

「要は、ミスした方が悪い、ということでしょうか」

「しかし、そう言うのは簡単ですが、何らかの救済措置があってもよい事

例だと思います。いかがでしょうか・・・・」

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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