週刊節税教室

相続税の納税資金を確保する

相続税
第206号 2005/11/14

☆質問

「私が持っている財産は、自分の会社の株式や自宅の不動産です」

「会計事務所に試算してもらったところ、私に万が一のことがあると

かなりの相続税が出るとのことでした」

「しかし、相続税を払うといっても、自分の会社の株や自宅の不動産

を売るわけにはいきません」

「どうしたらよいでしょうか?」

★回答

「経営している会社が利益を出して好調ですと、持っているその会社

の株価は上がり続けます」

「ご自宅の不動産も、土地の価格が底入れしたようですから、これか

らじわじわ上昇するかもしれません」

☆質問

「そしたら、将来の相続税が更に多くなってしまいます」

「そんなお金ないです・・・」

★回答

「確かに、今の財産の状況ですと、相続財産はたくさんあるけれども、

相続税を支払うための現金や預金がないですね」

☆質問

「息子が1人いるんですが、そんなお金を持ってないですよ」

「毎日の生活で精一杯の状況みたいです」

★回答

「それでは、相続があった場合には、大変なことになってしまいます」

「自宅を売ったら、奥さんが住むところがないし、自分の会社の株を買

ってくれる人なんかいないし、相続税の納税資金に困ります」

☆質問

「どうしたらよいですか?」

★回答

「生命保険を活用したらどうですか?」

☆質問

「生命保険ですか・・・」

★回答

「息子さんが保険契約者で、お父さんであるあなたを被保険者、そし

て保険金の受取人を息子さんとする生命保険に入るのです」

☆質問

「それで、私が死んだ時には、息子に生命保険金が支払われるとい

うことですね?」

★回答

「そのとおりです」

「息子さんは、その生命保険金で相続税を納税するのです」

「この保険金の受取で、息子さんに税金がかかりますが、一時所得

となって税金が有利になります」

「つまり、受取保険金から今まで払い込んだ保険料の合計を控除し

た額から、50万円を引いた額の半分が、税金の対象になるので税

金が有利なのです」

「息子さんが保険料を支払って、息子さんが保険金を受け取ること

から、受取保険金が相続財産に含まれて相続税がかかることもあ

りません」

☆質問

「でも、息子が保険料を払えるかどうか心配です」

★回答

「そうであれば、毎年贈与税の基礎控除である110万円程度の現金

を息子さんに贈与して、そのお金で保険料を払ってもらうと良いでしょ

う」

「贈与税もかかりませんし、かかったとしても少額です」

☆質問

「なるほど、それは名案ですね」

なお、話は大幅にずれますが、私が書いた

  「個人事業・自由業者の税金もっと安くできる!2006年版」が、すばる舎

より出版されて、書店に並んでいます。

更にパワーアップしましたので、ぜひご購入ください。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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