03-3464-9333
(平日9:00~18:00)

週刊節税教室

個人所得税の見直し(2)

所得税
第184号 2005/6/6

☆質問

『個人の所得税の見直しで、退職金に関する税金の扱いも問題

とされていましたが、どのようなことですか?』

★回答

現行の所得税法では、退職金に対する税金が優遇されています。

これを見直そうという議論です。

☆質問

『なぜ見直そうとしているのですか?』

★回答

終身雇用制度自体が無くなりつつあり、かつそれを前提とした

退職金制度が大きく変わろうとしています。

将来の退職金を毎月の給料に上乗せする制度とか、給与自体も

年齢に関係なく、各個人の能力に応じた給与体系が取られるよ

うになってきています。

☆質問

『退職金制度自体が変化しているのであれば、それに対する税

制も変化して当然ですね』

★回答

そうですね。

また、外資系の会社などで、海外から来た社員の毎月の給料を

抑え目にして、退社して海外に帰るときに退職金をガッポリ支

給して、所得税を過度に節税するようなことが行われています。

このことも退職金課税見直しの火種のひとつとなっています。

☆質問

『毎月の給料を少なめにして退職金でその分をもらうと、そん

なに税金が安くなるのですか?』

★回答

なります。

退職金に対する税金の計算は、

 (退職金額-退職所得控除額)×1/2 で退職所得金額を計

算して、他の所得と合算されることなく税率がかけられるので

す。

ですから、2~3年日本の会社で勤めて退職していく外国人に

とっては、毎月の給料を少なくして給与にかかる所得税を少な

くし、更にその分を税金が優遇されている退職金でもらえば、

税金はすべて給料でもらうよりかなり少なく済んでしまうので

す。

☆質問

日本の会社で勤務する期間があらかじめ決まっているからでき

る芸当ですね。

で、この退職金に対する税制は本当に手直しされるのですか?

★回答

このところチョッとトーンダウンしてきました。

先日の税務調査で会った調査官も「退職金の税制は、私が退職

してからにしてもらいたいですね」と言っていました。

役所は手厚い退職金制度がありますから、税制を変えて自分の

首を自ら絞めるようなことはしづらいのかも知れませんね。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

無断転用・転載を禁止します。

本メールマガジンに掲載されている著作物に対する以下の行為は、著作権法上禁止されており、著作権侵害になります。

  • ○著作物を、私的利用の範囲を超えて権利者の許可なく複製する行為
  • ○著作物を、インターネット上で公衆が取得可能な状態にする行為
  • ○著作物の全部もしくは一部を権利者の許可なく改変する行為