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週刊節税教室

義援金と税金

第157号 2004/10/28

◎新潟中越地震の被害は大変深刻なものとなっています。今回は少し

 早めの発行となりますが、義援金と税金の関係について解説します。

 義援金を拠出することにより、人の役に立つと同時に税金も安くなれ

 ば一石二鳥です。

 税金の使い道を自ら選択していることにもなります。

☆質問

『新潟中越地震の被災者のために義援金を拠出したいと思いますが、

税金との関係はどうなりますか?』

★回答

拠出した義援金で税金が安くなるためには、次の団体に拠出する必要

があります。

(1)国、地方公共団体に対する拠出

(2)募金趣意書等により義援金が最終的に義援金配分委員会等に対し

 て拠出されることが明示されている、災害救助法32条により募集を行

 なう募金団体(日本赤十字社、新聞、報道機関、慈善団体等)に対す

 る拠出

☆質問

『なるほど、まず拠出するときに、これらの団体に該当するかどうか確認

する必要がありますね?』

★回答

オレオレ義援金みたいのも、実際に報道されているから注意が必要です

ね。

☆質問

『それで、税金の扱いは法人が拠出した場合と、個人が拠出した場合と

で違うのですか?』

★回答

違います。

☆質問

『では、まず法人の扱いから教えてください』

★回答

法人の場合には、上記の団体に対する義援金の全額が損金として計上

できます。

上記の団体に支払った証拠書類を保存して、決算時に法人税の申告書

(別表14)上において拠出先の団体名、支払日付、拠出額を記載するこ

とにより義援金を損金とすることができるのです。

☆質問

『個人の場合はどうなりますか?』

★回答

拠出した義援金の額と個人の所得金額の25%のいずれか少ない額から

1万円をマイナスした金額を、寄付金控除として所得から差し引くことがで

きます。

☆質問

『社会保険料控除と同じような扱いになるということですね?』

★回答

そのとおりです。

具体例で説明しましょう。

3万円の義援金を拠出したとします。

法人の場合は、3万円に法人税率を掛けた金額だけ法人税が安くなり、

同時に法人住民税と法人事業税も安くなります。

個人の場合は、その人の所得が300万円とすると、3万円から1万円を

差し引いた2万円が寄付金控除として所得から引けますので、2万円掛

ける所得税率(この場合は10%)だけ所得税が安くなります。

☆質問

『個人の場合の寄付金控除の手続きを教えてください?』

★回答

個人の場合は、確定申告書の寄付金控除の欄に記入すると同時に、

拠出先から義援金を拠出したことの証明書を添付することが必要です。

☆質問

『その証明書はどのようにして手に入れるのですか?』

★回答

日本赤十字社に対する拠出については、郵便局にある義援金用の振

込用紙を使用する場合には、振込用紙の通信欄に「受領書希望」と記

入すると、後日証明書が郵送されてくるようです。

振込で拠出するような場合は、事前に日本赤十字社に連絡して、振込

の後に証明書を発行してもらうように依頼します

新潟県に拠出する場合は、新潟県出納局管理課に証明書の発行を依

頼すると、後日証明書が郵送されるようです。

困っているときはお互い様、今日は飲むのを止めて義援金の拠出に回

すのも良いかも知れません。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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