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週刊節税教室

不良債権の落とし方(1)

法人税・所得税
第33号 2002/5/13

☆質問

  『不景気の影響で不良債権が増えてきました。聞くところによりますと、不良

  債権といっても税務上で貸倒損失として損金計上するには、厳格な規定が

  あるということですが?』

★回答

 はい、単に「取引先と連絡が取れない」とか、「取引先の社長が逃げてしまっ

 た」といった事だけではすぐに貸倒損失として計上できません。

 自己破産とか民事再生法の申請とかの法的な倒産手続きをとる場合は、そ

 の法律手続きに従った段階で貸倒損失として税務上認められます。

 それでも、法律手続きの進行が遅くなれば、貸倒損失の計上が数年先など

 ということはざらにあります。

☆質問

  『不良債権をもっと早く損失処理できる方法はありませんか?』

★回答

 不良債権となった得意先との取引が以前から継続していて、突然回収困難

 になった場合には、貸倒損失として計上できる規定があります。

☆質問

 『どのような規定ですか?』

★回答 

 次の2つの要件に該当する不良債権です。

(1)以前から継続的に取引をしていた取引先であること。

(2)債権が回収不能となって取引を停止してから1年以上経過したこと。

 この要件を備えた時点で、貸倒損失として計上できます。

☆質問

 『1回きりの取引で不良債権が発生した場合は、この要件に該当しませんか

 ら、貸倒損失として計上できないわけですか?』

★回答 

 そのとおりです。

☆質問

 『なぜですか?』

★回答

 継続的に取引していれば得意先を信用して不良債権の発生を予見しにくい

 ですよね。

 これに対し、初めての1回きりの取引となれば得意先の信用度を調査して、

 通常は慎重に取引するものです。

 したがって税務署も、「不良債権発生を予見しにくい継続的な取引から生じた

 回収不能な債権については早めに損失として落としてやろう」と考えているの

 でしょう。

 税務署にも優しさがあるのです。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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