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週刊節税教室

分社と税金

法人税・所得税
第19号 2002/2/4

☆質問

  『子会社を設立して現在の業務の一部を移管することにより代表者である

  私の所得税や社会保険料が安くならないでしょうか?』

★回答

  親会社と子会社の2社から役員報酬を受け取る形となりますが、分社前

  の役員報酬が2千万円で、分社後各社から1千万円、計2千万円の役員

  報酬ではまるっきり節税効果は所得税法上ありません。

  また、社会保険料についても親会社だけで加入して、子会社では加入し

  ないという事もできません。

  ですから、分社することにより役員報酬がトータルで減額にならない限り

  所得税及び社会保険料の節減効果はないこととなります。

☆質問

  『分かりました。では、それ以外で分社による節税効果はありますか』

★回答

  あります。およそ以下のとおりとなります。

  (1)分社により交際費の損金算入枠が増えます。

    資本金300万円の子会社を設立した場合には400万円の枠が増えます。

  (2)消費税の納税義務が免除されます。

    子会社の資本金を1千万円未満とすれば、設立から2事業年度は消費税が

    免除されます。

  (3)親会社が消費税の計算を原則方式(預った消費税から払った消費税の

    差額を納税する方式)を採用している場合、子会社に移管した業務に対

    し業務委託費を支払うことにより払った消費税が多くなり、しかも子会社

    が消費税の納税義務が免除されていれば消費税の節税効果があります。

  (4)法人税及び事業税の節税となります。

    法人税及び事業税は段階税率(税率が所得金額毎に決められている)

    のため、1社で2千万円の所得より2社で2千万円の所得の方が税金が

    必ず安くなります。

  (5)役員を退任させ、子会社の役員に就任させれば親会社で役員退職金

    を計上できます。思わぬ利益が出た事業年度などに退職金を計上して

    節税できます。従業員を転籍させても退職金は当然計上できます。

☆質問

  『なるほど、良い事ばっかりみたいですが、デメリットはありますか?』

★回答 

  もちろんあります。以下のとおりです。

  (1)会社設立費用がかかります。

  (2)会社の維持費用(会計総務費用)がかかります。

  (3)1社が2社になるのですからスケールメリットがなくなります。

    対外的な信用を落とさないように注意する必要があります。

    銀行から融資を受けている場合には、注意が必要です。

 税金対策だけで別会社を作るのも一つの考え方ですが、会社運営上の必要

 性からスタートして、節税はそれに付随するものといったスタンスが必要では

 ないかと思います。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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