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アメーバ経営

第224_1号 2013年1月

1.はじめに

1月13日付の日経に京セラ系のKCCSマネジメントコンサルティングが中国企業を対象に、京セラ創業者の稲盛和夫氏が生み出した経営管理手法「アメーバ経営」をもとに、独自の部門別採算管理法の導入を支援し、人件費高騰などで経営環境が厳しい中国企業の成長を後押しするとの記事が載っていました。今回は、このアメーバ経営について解説します。

2.アメーバ経営の発想

稲盛氏の創業した京都セラミック(現京セラ)は創業5年程で当初28名だった従業員数が100名を超え、やがて200名、300名と増えていきました。そうなると稲盛氏ひとりではとても管理しきれず、会社をビジネスの単位になりうる最小の単位まで分割し、その組織にそれぞれリーダーを置いて、まるで小さな町工場のように独立して採算を管理してもらうという発想に至ったのです。

3.部門別採算制度

経営の基本である「売上を最大に、経費を最小に」を全社員が実践するために、分割されたビジネス単位であるアメーバごとの採算を分かりやすく把握できる制度が部門別採算制度(時間当り採算表)です。部門間の内部取引価格を取り決め、部門ごとに売上高から人件費以外の経費を差し引いて付加価値を計算します。

そしてこの付加価値をその部門の作業時間で割って「時間当りの採算」を算出します。この時間当りの採算を最大化することが各アメーバの目標となります。

4.「時間当りの採算」の最大化

部門の売上高から人件費以外のその部門の経費を引くと付加価値が求められます。その部門の人件費がこの付加価値より多ければ、その部門は赤字となり、逆に少なければその部門は黒字で全社の利益獲得にその分貢献していることになります。

また、付加価値をその部門の作業時間で割って計算される時間当りの採算は、作業を効率化して作業時間を短くすることにより値は高くなります。

各アメーバの業績評価の指標として付加価値を用いている理由は、各部門の人件費は会社の方針等で決定され、各部門で管理できないことから、売上から引く経費から人件費を除いて、付加価値としているのである。

5.経営者意識

社員ひとりひとりが経営者意識をもって仕事をする組織ほど強いものはないと私も思いますが、このアメーバ経営の究極の目的はそこにあります。

会社の経営理念をひとりひとりが常に心に持ち、まず自分の部門の時間当たり採算を最大化することにより、これを通して社員全員が「会社全体のために」という意識を持たなくてはなりません。

稲盛氏は、「アメーバ経営は、リーダーを育成し、全従業員の経営者意識を高める究極の教育システムである」と言っています。

 

「アメーバ経営」稲盛和夫著 日本経済新聞社発行

アトラス総合事務所 公認会計士・税理士・行政書士 井上 修
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