週刊なるほど!消費税

〔新設合併_第3期目〕

第413号 2015/10/12

【先 生】

「さて、今回は、新設合併により設立された丙社の第3期目の納税義務判定について説明するわね。」

【生徒♂】

「第3期目って事は、基準期間となる第1期目があるわけだから、先ずは原則どおり第1期目の課税売上高で判定する事になるよね?」

【生徒♀】

「あら、出だしからまともなコメントをするだなんて、あなたのキャラ設定と違うじゃありませんの?先ずは掴みのボケをかましてくれませんと困りますわ・・・」

【生徒♂】

「『困りますわ・・・』って言われても僕だって困っちゃうよ・・・。」

【先 生】

「まあまあ、とりあえず掴みのボケは置いといて。あなたの言うとおり、先ずは第1期目の課税売上高を用いて丙社の納税義務を判定する事になるわ。」

【生徒♂】

「それで1,000万円を超えていれば、丙社の第3期目は、納税義務ありって事になる訳だね?」

【先 生】

「そのとおりよ。ここまでは単純な話しよね。」

【生徒♀】

「じゃあ、丙社の第1期目の課税売上高が1,000万円以下であった場合にはどうなりますの?」

【先 生】

「その場合は、納税義務判定がちょっと複雑になってしまうのよ。」

【生徒♂】

「何だか聞くのが怖いようだけれど、それはどうやって判定するんだい?」

【先 生】

「この場合は、丙社の基準期間における課税売上高と各被合併法人の丙社の基準期間に対応する期間における課税売上高の合計額とを合算して、それが1,000万円を超えるか否かで判定するのよ。」

【生徒♀】

「また何やら難しい言葉が出て来ましたわね・・・。その各被合併法人の丙社の基準期間に対応する期間っていうのは、何時の事を指しますの?」

【先 生】

「この『基準期間に対応する期間』というのは、『合併法人の当該事業年度開始の日の二年前の日の前日から同日以後一年を経過する日までの間に終了した各被合併法人の各事業年度』を指すのよ。」

【生徒♂】

「まあその・・・」

【生徒♀】

「何と言いますか・・・」

【先 生】

「はいはい、具体的にでしょ?仮に第3期目を平成28年4月1日~平成29年3月31日までだと仮定すると、下記のようになるわ。」

■事業年度開始の日の二年前の日

  平成26年4月2日

■事業年度開始の日の二年前の日の前日

  平成26年4月1日

■事業年度開始の日の二年前の日の前日から同日以後一年を経過する日

  平成27年3月31日

【生徒♂】

「なるほど。じゃあ、平成26年4月1日~平成27年3月31日の間に終了した各被合併法人の課税売上高と丙社の第1期目の課税売上高とを合算して判定すればいい訳だね?」

【先 生】

「残念!そう単純ではないのよ。」

【生徒♀】

「そんな!あんまりですわ。これ以上どうしろと言いますの・・・?」

【先 生】

「先ずはね、基準期間に対応する期間における各被合併法人の課税売上高を算出したら、その課税売上高をその基準期間に対応する期間における各事業年度の月数で割るの。」

【生徒♂】

「なるほど。もし基準期間に対応する期間における各事業年度の月数が12ヶ月だったとしたら、12で割るって訳だね。」

【先 生】

「そのとおりよ。そして、その割って算出した金額に丙社の事業年度開始の日の二年前の日の前日から合併があった日の前日までの期間の月数を乗じて算出するのよ。」

【生徒♀】

「さっきの例で言うと、丙社の事業年度開始の日の二年前の日の前日は、平成26年4月1日なのだから、仮に合併の日が平成26年10月1日だったと仮定すると、平成26年4月1日から平成26年9月30日までの月数、つまり、え~と・・・6ヶ月を乗じる事になる訳ですわね?」

【先 生】

「そのとおり。正解よ♪被合併法人の基準期間に対応する期間における課税売上高を算出するところまでは出来ても、その後の月割計算を忘れがちだから注意が必要よ。」 

【生徒♀】

「そうですわよ。あなたは3歩歩いたらさっきの事を忘れてしまうのですから、気を付けなさいよ。」

【生徒♂】

「馬鹿にして!こう見えても鶏と九九の勝負をしたら3勝2敗で勝ち越せる自信はあるんだからね!」

【生徒♀】

「でも2敗はしますのね・・・」

【先 生】

「せめて鶏には全勝出来るように頑張りなさいよ。という訳で今回はここまで。ではまた次回!ばいばい!」

アトラス総合事務所 税理士
大森 浩次
◆発行 アトラス総合事務所

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