週刊なるほど!消費税

〔吸収合併_合併事業年度の翌々事業年度_その弐〕

第409号 2015/09/14

【先 生】

「やっほーい!二人とも元気だった?」

【生徒♂】

「『やっほーい』じゃないよ、まったく・・・。例の如く授業の途中で生徒を放り出してカリスマ美容師の下へ行くなんて・・・。さぞかし御満悦されたようだね?先生。」

【先 生】

「もう最っ高~。どう?綺麗になったでしょ?」

【生徒♀】

「美容院に行く前と比べるとその違いは・・・カレーライスとライスカレーとを比較するかのように微妙な違いですわね。」

【先 生】

「憎ったらしい事言うわね・・・。まあいいわ。授業を始めるわよ!」

【生徒♂】

「下記の条件の場合において、判定対象となる合併法人の翌々事業年度を平成28年4月1日~平成29年3月31日とすると、被合併法人の基準期間に対応する期間は、平成25年7月1日~平成26年6月30日までの事業年度と平成26年7月1日~平成26年12月31日までの2つの事業年度が該当するのでしたわね。」

■合併する日

  平成27年1月1日

■被合併法人の合併事業年度

  平成26年7月1日~平成26年12月31日

■被合併法人の合併事業年度の前事業年度

  平成25年7月1日~平成26年6月30日

【先 生】

「そのとおりよ。事業年度が、合併法人・被合併法人ともに1年であれば、そうなるわね。」

【生徒♂】

「この場合の被合併法人の基準期間に対応する期間における課税売上高を算定する際には、その2つの事業年度における課税売上高の合計額をその2つの事業年度の月数の合計数で除して、これに12を乗じて算定するんだっけ?」

【生徒♀】

「例えば、平成26年6月期(12ヶ月)の課税売上高が600万円、平成26年12月期(6ヶ月)の課税売上高が300万円だとすれば、え~と・・・(600万円+300万円)÷18ヶ月×12ヶ月で、600万円ということかしら?」

【先 生】

「惜しい!実はもう1つ注意点があるの。合併法人の基準期間中に合併があった場合には、今あなたが算定してくれた600万円をその基準期間に含まれる事業年度の月数の合計数で除して、これに基準期間の初日から合併があった日の前日までの期間の月数を乗じて計算する必要があるのよ。(消令第22条第2項かっこ書き)」

【生徒♂】

「という事は、え~と・・・合併法人の基準期間に含まれる事業年度の月数が12ヶ月で、基準期間の初日から合併があった日の前日までの期間の月数が9ヶ月だから・・・」

【生徒♀】

「600万円÷12×9ヶ月で、450万円ですわね!」

【先 生】

「正解!そのとおりよ。合併法人の基準期間の課税売上高が1,000万円以下、例えば600万円だとすると、合併法人の基準期間の課税売上高である600万円と被合併法人の基準期間に対応する期間の課税売上高である450万円とを合算して、合併法人の納税義務を判定する事になるわ。」

【生徒♂】

「という事は、600万円+450万円=1,050万円で、1,000万円を超えているから課税事業者になるって訳だね。」

【先 生】

「正解!そのとおりよ。この場合合併法人の合併事業年度の翌々事業年度は、『納税義務あり』という事になるわ。」

【生徒♀】

「月数による換算がポイントですわね。特に基準期間中に合併があった場合の『基準期間に含まれる事業年度の月数の合計数で除して、これに基準期間の初日から合併があった日の前日までの期間の月数を乗じて計算』という部分は、忘れがちですわね。」

【先 生】

「そうね。うっかりと月数による換算を忘れてしまうと、判定結果が全く違う結果になりかねないから慎重に計算しないといけないわよ。」

【生徒♀】

「そうですわね。特にあなたは、うっかり八○衛さんを凌ぐ程のうっかり屋さんなのだから気を付けなさいよ。」

【生徒♂】

「OK。自分で言うのもなんだけど、僕のうっかり度は、A5級だからね。」

【先 生】

「牛肉だったら特上級ね。困った子だわ・・・。という訳で今回はここまで。ではまた次回!ばいばい!」

アトラス総合事務所 税理士
大森 浩次
◆発行 アトラス総合事務所

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