週刊なるほど!消費税

国内/国外取引(1)

第26号 2003/05/26

【先生】

 前回までの対価の額のお話は理解できましたでしょうか?

対価の額は消費税をかける際の元になる基準ですから、しっかり

覚えておきましょう。

 それでは今回はまず例の文言を。

【生徒】

 『国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡

及び貸付け並びに役務の提供には消費税を課する』

【先生】

 対価の額が終わったので、『事業者が事業として』以下は全て見た

ことになります。

 今回からは最後に残っている『国内において』というところを見て

行きましょう。

【生徒】

 国内においてってことは、「日本で」ってことですよね?

【先生】

 そうです。

 消費税は日本の法律ですので、例えばイタリアでスパゲティを

食べると日本の消費税5%を取られるなんていうのはおかしいで

すよね。

【生徒】

 スパ屋のおじさんが日本まで消費税納めに来ないといけなくな

る・・・

【先生】

 国内の取引に適用されることは、当たり前といえば当たり前のこ

とですが、ただ国内取引か国外取引か微妙な取引も数多いですの

で、きちんと定義しておく必要があります。

【生徒】

 なるほど。

【先生】

 まずは原則から。

 資産の譲渡又は貸付の場合、譲渡する又は貸付ける資産が、

その譲渡又は貸付が行われるときに所在していた場所。

 役務の提供の場合、その役務の提供が行われた場所。

【生徒】

 その物があった場所、役務の提供を行った場所が日本国内なら

国内取引ですね。

【先生】

 そうです。

 では一つ例を出してみましょう。

 日本の劇団がニューヨークで公演を開きました。稽古も日本で

しましたし、舞台セットも全て日本で作成して持って行きました。

 この場合の公演料は国内取引でしょうか国外取引でしょうか?

【生徒】

 公演を開いたのはニューヨークですよね。役務の提供の場合

は役務の提供を行った場所で判断するんだから・・国外かな?

【先生】

 その通りです。

 あくまで役務の提供を「行った場所」が問題になります。行った

団体の所在地や準備をした所などは考慮しません。

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