週刊なるほど!消費税

資産の譲渡等(7)

第16号 2003/03/17

【先生】

 前回でみなし譲渡が終わりました。頂上に着いた感想はどうですか?

【生徒】

 早く下りてお風呂入ってゆっくり寝たいです。

【先生】

 ・・・なかなか難しいところですからね・・・

 法人のみなし譲渡の要点は役員が法人の資産をタダで貰うということです。無償の貸付や役務提供は含まれません。

【生徒】

 タダがだめなら、1円とかにしておけばいいのかな?

【先生】

 当然そう考える人もいるでしょう。でもその場合には低額譲渡という別の規定があります。それは「対価の額」を説明するときに一緒に説明しましょう。

 今回からは、実務的な考え方をおさえながら、資産の譲渡等にあたるのかどうかの具体例を見ていきましょう。

【生徒】

 例があるとわかりやすくなりますね。

【先生】

 その取引が資産の譲渡等にあたるかどうかを判断するときのポイントは「対価性」です。

【生徒】

 耐火性?

【先生】

 燃えないわけではありません。「対価性」です。

 お金を貰った、あるいはお金を払った、そのお金が物品の販売に対するものである、又はサービスの提供を受けたことに対するものである、といったように、対価性のある取引は資産の譲渡等となります。

【生徒】

 無償のときは資産の譲渡等にあたらなかったですよね。

みなし譲渡にあたらないときには。

【先生】

 そうです。

 寄付金や祝い金が一番わかりやすい例でしょう。

 寄付金は何かしらサービスや物品の提供を受けるものではありません。

【生徒】

 何にもしないであげるのが寄付金ですからね。

【先生】

 ですので資産の譲渡等にはあたりません。

【生徒】

 結婚祝いとか香典も同じですね。

【先生】

 結婚式に参加する対価、お葬式に参加する対価として払っているわけではありませんからね。

【生徒】

 参加費までとる結婚式なんてイヤだなぁ・・・

【先生】

 対価性はあくまで実質で判断します。

 寄付金名目なっていたとしても、例えば集会の参加費だったり対価性を有するものは資産の譲渡等となります。

◆発行 アトラス総合事務所

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