週刊税務調査日記

過去をほじくり返す調査 (2)

第374号 2011/1/20

昼食が終わり午後の調査が始まりました。

午前中、話題を振るとかなり乗ってきたので、またやってみます。

■会計事務所

「福岡出身だと、ラーメンはやはりとんこつですか?」

●税務署

「そうですね」

「やはり豚骨です」

■会計事務所

「渋谷にも天神ラーメンがありますが、行かれたことはありますか?」

●税務署

「もちろんですよ」

「安いし うまいし 替え玉もあるし、時々行きますよ」

「先生は行かれますか?」

■会計事務所

「あまり行きませんね」

●税務署

「なんでですか?」

という感じで、雑談をしながらの調査で、あまり作業ははかどっていないようです。

こんな調子で2日間の調査は終わりを迎えています。

調査官から臨場調査での結果説明がありました。

●税務署

「仕掛工事の計算で指摘事項があります」

▲納税者

「仕掛工事?」

●税務署

「はい、仕掛工事の計算に問題があります」

「工事にかかる直接費の集計と間接費の配賦はされていますが、本社経費が一切仕掛工事の原価に配賦されていないのが問題です」

「その分だけ、仕掛工事の原価は少なく計上されていて、結果として利益が過少に計上されています」

▲納税者

「本社はほとんど営業部隊で、工事関係の人員はいませんよ」

「ですから本社経費を工事原価に配賦する必要はないと考えています」

●税務署

「そうなんですか」

▲納税者

「そうです」

●税務署

「分かりました、では署でその他のことも踏まえて検討させていただいて、後日先生のところに連絡します」

ということで、臨場調査は終わりました。

しかし、これからが大変でした。

つづく

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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