週刊税務調査日記

特殊支配同族会社の調査 (1)

第301号 2008/4/21

税務署から調査の連絡がありました。

8年くらい前に税務調査があった会社ですが、久々の調査です。

経理担当者に調査の連絡をします。

■会計事務所

「税務署から税務調査の連絡が入りました」

▲納税者

「え~ ほんとうですか」

「どうしよう~」

■会計事務所

「いや 別に何も悪いことはしていませんから平気ですよ」

▲納税者

「でも、心配です・・・」

■会計事務所

「平気ですって、経理もちゃんとやっていますから」

かなり心配性の納税者で、調査日までに何回も確認の連絡がありました。

確かに、数年に1回しか来ない税務調査ですが、納税者の方は皆さん緊張されます。

「昨夜はまったく寝られなかった」などということをよく聞きます。

調査当日です。

●税務署

「おはようございます」

調査官は、中年男性2名です。

肩書きは統括官と上席です。

統括官が初日から来ることは小規模の会社では珍しいことです。

一通りの世間話があった後、会社案内、組織図を要求されて、会社の業務内容を納税者が説明しました。

帳簿調査の開始です。

●税務署

「過去3期分の総勘定元帳を持ってきていただけますか?」

▲納税者

「はい」

納税者が部屋を出たので、調査官に聞いてみました。

■会計事務所

「今回は、統括自ら調査にいらして、何か特別な目的でもあるのですか?」

●税務署

「ん~ 実は・・・決算日直前に株を 移動していますよね?」

■会計事務所

「あ~ 株の移動でですか・・・」

つづく

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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