週刊税務調査日記

退職金でもめた調査 (3)

第259号 2007/6/4

●税務署

「奥様に対して従業員部分の退職金ということですが、かなり高額な退職金ですね?」

▲納税者

「いいえ、分相応な退職金額だと思っています」

納税者はかなり強気で対応しています。

●税務署

「いままで従業員の方で退職金を出されたことはありますか?」

▲納税者

「いいえ、ありません」

●税務署

「では、いままで退職者がいなかったということですか?」

「5年も会社をやっていて・・・」

調査官も、嫌味たっぷりの言い方で応戦しています。

▲納税者

「いいえ、退職者はいました」

●税務署

「だけれども退職金は出していない?」

▲納税者

「はい、退職者は皆アルバイトで、短期で辞めた人ばかりでしたから」

●税務署

「ほ~そうですか?」

「ところで退職金規程はありますか?」

▲納税者

「ええ あります」

●税務署

「見せていただけますか?」

▲納税者

「分かりました」

納税者が規程を調査官に手渡します。

●税務署

「この規程はいつ作成しましたか?」

▲納税者

「2年前です」

●税務署

「2年前・・・」

「何か・・・それにしては新しい感じがしますが?」

▲納税者

「気のせいではないですか?」

●税務署

「・・・」

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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