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週刊税務調査日記

パソコン会計と税務調査(7)

第192号 2006/1/16

前回まで、パソコン会計から始まって、パソコンの中身まで調査の対象となるといったお話をいたしました。

会計処理及び税務処理の電子化ということで、それにしたがい税務調査の手法も変わってきているようです。

今までは、紙という媒体に記録された会計記録やそれの元となる資料を税務調査の対象にしてきましたが、その作成の基となっているコンピュータそのものも調査の対象にしてきているということです。

その理由として、パソコンで作成した書類は遡って作成したり、一度作成した資料を加工したり改ざんしたりすることが可能であるという点があると思います。

「議事録を遡って作成したのでは?」といった疑いのためにパソコン内のデータの作成日を確認するのは、その例です。

また、棚卸し表のデータが2つあったので、両方のデータを出力して改ざんしていないかどうかをチェックしたのもそうです。

今では、会計処理や書類作成などは、便利なパソコンでほとんど処理しています。

そういう意味ではパソコンは、会社の内部情報の宝庫と言ってよいほどの存在になっています。

しかし、このような情報の宝庫であるパソコンの中身を税務調査において全て調査官に見せる必要があるかどうかは疑問です。

税務調査官は質問検査権という権限を持っていますが、その権限がどこまで及ぶかは我々もよく分かりません。

パソコンを使わずに、議事録を手書きで作成している場合には、当然作成日なんか記録されません。

棚卸し表を下書きと、清書の2通を手書きで作成していても、その2通を調査官に一緒に提出しなければ、棚卸し表が2通あるなどということは、調査官は知るすべがありません。

パソコンはマウスひとつで全てのデータを検索することができます。

同じことをパソコンを使っていない納税者に対してやろうとすると、会社の書類が入っている机の中やキャビネットや本棚をひっくり返して調査官が探さざるを得ません。

もし、調査官がそのようなことをしたいと言ったら皆さんはどうしますか?

やはり、いやですよね。

ですから、パソコンの中身まで調査官に見せるのはとても微妙な問題であると私は思っています。

納税者と会計事務所とのメールのやり取りなども調査官に見られたら、我々としてもあまり良い気分であるとは言えません。

税務調査を受ける前には、過去のメールもチェックすることが必要です。

あらぬ疑いをかけられないためにも・・・

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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