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週刊税務調査日記

もめた調査(2)

第18号 2002/7/8

個人事業から法人を設立して、業務を法人に引き継いだケースの個人事業時代の税務調査の立会です。

どこまでが個人事業時代の売上・経費で、どこからが法人の売上・経費であるのかが問題となりつつあります。

というのも、法人で計上した売上の請求書が、個人事業名であったことが調査官から指摘されたからです。

●税務署

「個人事業者名で出された請求書は、個人事業で売上計上しなければならないと思いますが・・・」

■会計事務所

「確かに、個人事業として行った業務の請求書であれば、個人事業の売上としなければなりませんが 、何か別な理由があったのではないでしょうか。

社長さんいかがでしょうか?」

▲納税者

「その仕事は会社を設立した後に出した請求書ですが 、相手先が大手で口座の変更手続きに時間がかってしまい、その時点では口座が個人事業者名であった為だと思います」

●税務署

「理由はともあれ個人事業者名の請求書であれば、個人事業の売上です」

■会計事務所

「いや、そうではなくて、個人事業として仕事をしたのか、法人として仕事をしたのかということが問題ではないのですか」

●税務署

「どちらでやったのか分からないわけですから、やはり客観的な請求書の名義で判断するしかないと思います」

■会計事務所

「いや、私はそうとは考えないですね」

●税務署

「それはいろいろな考え方はあると思いますが 、それは先生の考えですから、私の考えは違います」

■会計事務所

なんか、調査官はもう完全に個人事業の売上と決め付けてしまっています。

耳を貸しません。

理屈で攻めるしかありません。

「法人設立の案内はそのお客様にはいつ出しましたか?」

▲納税者

「請求月の前月です」

■会計事務所

「では、仕事は法人設立案内通知の後に行われたということですね」

「そうであれば、法人で仕事をしたわけですから、口座が個人事業主のままでも実態は法人がやっていたということで、法人の売上で問題ないのではないでしょうか」

●税務署

「それは、先生のひとつの考え方ですよね」

「私はそうは思いません、個人事業の売上だと思います」

■会計事務所

「そうではなくて・・・・・」といい始めたところ、調査官が口をはさみました。

●税務署

「分かりました。そのお客さんのところに行って確認してきます」

ときっぱりと言い放ちました。

▲納税者

「またこれだ。お客様のところにすぐに行くって言うんだから。

なんで、そんなことまでしなくてはならないんですか」と納税者も怒り気味。

こちらも、熱くなってきました。

              To be continued.  

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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