週刊税務調査日記

突然の調査(1)

第13号 2002/6/3

■会計事務所

「先生、株式会社○○商事の経理担当者から緊急の電話ということで連絡がありました」と事務所に着く早々、所員から報告を受けました。

「もしかしたら抜き打ちの税務調査かな?」と思いつつ電話をします。

▲納税者

「あ、先生ですか?突然税務署の方がお2人来られています。どうしたら良いのでしょうか?」

■会計事務所

「まだ、資料とかを要求されても出さないで下さい」

「税務署の方と電話を替わって頂けますか」

●税務署

「もしもし、××税務署の法人6部門の税野と申します」

「今回は突然お邪魔して申し訳ございません。現状を把握したいと思い事前連絡なしにお邪魔しましたが、ご理解ください」

■会計事務所

「任意調査なのですから、やはり事前に通知いただかないと困ります。ルール違反です。お引取り願えないでしょうか?」

●税務署

「いや、できましたら本日調査したいのですが」

■会計事務所

「納税者の方に替わってください」と言って電話を替わってもらう。

「社長と連絡はつきますか?」

▲納税者

「はい、つきます」

■会計事務所

「私あてに電話をくれるように連絡してください」と納税者に依頼する。

しばらくして社長から電話がありました。

「社長、税務調査官が2名もう会社に来ていて、今日調査をしたいと言っているのだけれども、どうしますか?」

▲納税者(社長)

「いや~今日は無理だよ。日をあらためてもらえないですかね」

■会計事務所

「分かりました、延期してもらいます。」と社長の電話を切って調査官のいる会社に電話します。

「社長は今日は無理だと言っていますので、税務署の方にもその旨伝えますので電話を替わってもらえますか」といって、調査官に替わってもらう。

●税務署

「はい、税野です」

■会計事務所

「申し訳ございませんが、社長があいにく都合が悪く、本日の調査は延期していただきたいのですが」

といっても、税務署が簡単に引き下がるわけありません。ちゃんと予定を組んで、しかも2人で来ているわけですから。

              To be continued.  

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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