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週刊税務調査日記

飲食店の調査(8)

第8号 2002/4/29

内定調査で食べたもやしそばの一件は、一応保留という形でそれ以上深く追求しません。

もやしそば一杯が売上から漏れていたとしても、それだけを取り出したところでどうしようもありません。

税務署はこの件で「売上が漏れている可能性は相当高い。カツオの一本釣りではなく、定置網を張ってゴッソリと売上の漏れを全体的に把握してやろう」と考えているはずです。

そこで、仕入関係の資料を納税者に要求して、麺や箸の仕入額または仕入数から本来あるべき売上を推計しようとしているのです。

●税務署

「仕入先からの納品書および請求書を1年分出してください」

納税者が要求された資料を机の上に置き、仕入関係の調査が始まりました。

食材の仕入が正しく決算書に記載されているか、納品書・請求書と総勘定元帳とのチェックをしています。

仕入先の住所と電話番号と仕入食材を記録しています。

間違いなく、仕入先に反面調査に行くことでしょう。

反面調査とは、調査対象会社の仕入先や得意先に直接出向いたり、電話によって調査対象会社の帳簿記録が正しいか否か調査することを言います。

納税者の帳簿に仕入が計上されていれば、仕入先の帳簿には同額の売上が計上されているはずです。

ですから、架空仕入を計上していれば反面調査により一発でバレてしまうわけです。

■会計事務所

「社長、仕入の計上は平気ですよね」と念を押す。

▲納税者

「仕入はちゃんとやってますよ」

■会計事務所

「仕入はですか・・・。売上も平気ですよね・・・」

▲納税者

「平気だと思います・・・」

ちょっと元気がなくなってきましたが、あとは調査の経過を見守るだけです。

●税務署

「この仕入関係の資料をお預かりしてよろしいですか」

■会計事務所

「1年分ですか?」

●税務署

「そうです」

1年分の仕入関係の書類を税務署に持ち帰り、麺の仕入を集計して売上を推計するのでしょう。

書類を抱えながら、調査官は会社を後にしました。会社事務所での調査はこれで終了です。

あとは、税務署と会計事務所とのやり取りとなります。このやり取りは一般の納税者の方には窺い知れない部分です。

この部分を徐々に皆様にお知らせしていきます。 

                         To be continued.

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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