週刊節税教室

税込経理と税抜経理

消費税・法人税
第423号 2014/7/28

☆質問 

「先週資本金が1億円以下の法人は交際費として上限年800万の全額を損金にできるとお聞きました」

「この上限800万円は消費税込みで判断するのでしょうか?」

★回答

「いい質問です」

「この判断は、法人が選択している消費税の経理方式によって変わってきます」

☆質問 

「消費税を税込みで経理しているか(税込経理方式)又は税抜きで経理しているか(税抜経理方式)で影響があるのでしょうか?」

★回答

「法人が税込経理方式を選択している場合は、上限800万円は消費税込みの交際費の額で判断します」

「一方、税抜経理方式を選択している場合は、消費税抜きの交際費の額で判断します」

☆質問 

「そうすると税抜経理方式を選択している法人は、消費税込みに換算すると上限864万円になるということでしょうか?」

★回答

「そのとおりです」

「税抜経理方式は税込経理方式と比べて交際費の上限が64万円も多くなります」

☆質問 

「では税抜経理方式の方が得ですね」

★回答

「取引ごとに税抜処理をするため手続きは煩雑になりますが、一般的に税抜経理方式の方が有利といわれています」

☆質問 

「他に同じようなケースはありますか?」

★回答

「例えば、減価償却資産の取得価額の10万円・20万円・30万円の判定や繰延資産の取得価額の20万円の判定があります」

「また市区町村に提出する償却資産税の免税点150万円の判定も同様ですね」

☆質問

「よく分かりました」

税理士 吉田 斉
◆発行 アトラス総合事務所

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