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週刊節税教室

脱税事件

所得税・法人税
第323号 2008/4/21

☆質問

「一昨日の新聞に増資コンサルタントが脱税と載っていました」

「そもそも増資コンサルタントって何者ですか?」

★回答

「業績の悪化している上場会社に増資の話を持ちかけ、その成功報酬

として報酬をもらう人です」

「資金繰りに窮している会社にとって、返済不要な資金である増資資金

は喉から手が出るくらい魅力のある資金調達手段です」

☆質問

「普通は業績が悪化して傾きかけた会社の株式を引き受けないですよ

ね?」

★回答

「そこが、増資コンサルタントの腕の見せ所で、実際に191億円の資金

を調達させ、その5%である約10億円の成功報酬をもらっていたようだ」

☆質問

「資金調達した会社にとったら5%の報酬は安いものですね」

★回答

「この報酬を素直に税務申告していれば何も問題はなかったのだけれ

ども、これをダミーの法人の売上としていた」

☆質問

「個人で増資コンサルタントとして活動したのであれば、法人の売上と

するのはおかしいですよね?」

★回答

「そのとおり」

「法人の売上として受けても、そのままでは法人に税金がかかってくる

ことから、コンサルタントは、更に欠損金が多額にある複数の法人に、

外注費などの名目で支払っていたようだ」

☆質問

「そうすると、報酬を売上で受けた法人に多額の外注費が発生するので、

その法人での税金はほとんどかからなくなるのですね?」

★回答

「そうです」

「外注費として支払いを受けた欠損金が多額にある法人では、売上は計

上されますが、多額の欠損金と相殺されて法人での納税はほとんどない

でしょう」

☆質問

「では、個人でも報酬を受けた法人でも、そして外注費として支払いを受

けた法人でも納税がされないということですね?」

★回答

「そういうことです」

「まるっきり税金を支払ってないということです」

「税務署は、これら一連の取引に関しては取引の実態がないとして、報

酬をすべてコンサルタント個人のものと認定しました」

「そして、コンサルタントも修正申告に応じたとのことです」

☆質問

「これは節税ではないですね?」

★回答

「そうですね、脱税です」

「いくら法人にお金が流れても、取引の実態がないとすべて否認されると

いうことです」

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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