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週刊節税教室

債務免除益と時効

法人税・所得税
第316号 2008/2/25

☆質問

「前回は、金融機関が貸付債権を放棄したのに、融資を受けている会

社が債務免除益を計上しなかったために課税されたということでした」

「当社には、未払いの商品仕入代金が多額にあり、しかも請求も一向

になく、すでに時効期間を経過しているものがかなりあります」

「このように時効期間が経過していれば、もう支払義務はないと思うの

ですが、このような場合にも未払いの商品代金(買掛金)を債務免除

益として益金に計上しなくてはいけないのですか?」

★回答

「この場合の時効を消滅時効といいます」

「消滅時効とは、一定期間継続して権利が行使されないときに、その

権利を消滅させるものです」

「商品の仕入代金は、商品代金の請求権が主張できる日から2年間

です」

☆質問

「2年以上音沙汰のない仕入先がかなりあるのです」

★回答

「それであれば、時効期間は経過していることになります」

「しかし、だからといって法律上支払義務が自動的になくなるわけで

はありません」

☆質問

「自動的になくならないのですか?」

★回答

「時効期間が経過した場合には、債務者は次の2つの対応をするこ

とができます」

「時効の援用と時効の利益の放棄です」

☆質問

「時効の援用とは何ですか?」

★回答

「時効の援用とは、時効が法律上完成したことを主張して、時効の利

益を受けることです」

「仕入先に、時効が完成したからもう支払いません、と伝えればよい

ことになります」

☆質問

「なるほど、時効の援用の場合は支払義務がなくなるわけですから、

買掛金を債務免除益として計上する必要がありますね?」

★回答

「そのとおりです」

☆質問

「一方、時効の利益の放棄ということは、時効の援用をしないで、債務

をまだ支払います、ということですか?」

★回答

「そうです」

「時効の援用ができるのにもかかわらず、債務の承認をすることです」

☆質問

「なるほど、この2通りの対応があるから、一概に債務免除益を時効

だからといって計上する必要はないわけですね?」

★回答

「そういうことですが、でも税務調査時にはよく問題になります」

☆質問

「当社のように時効の援用も、時効の利益の放棄も意思表示してい

ない場合ですね?」

★回答

「そうです」

「税務署は、もう払う意思がないのだから債務免除益で計上しろと言

います」

☆質問

「余計なお世話ですね」

★回答

「確かに」

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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