週刊節税教室

医療費控除と住宅取得控除

所得税、その他
第125号 2004/3/15

☆質問

『平成15年に住宅を取得し、5千万円を超える住宅ローンを組んだことに

より、今年の確定申告では給与から源泉徴収された所得税が全額還付

されました』

『なんか儲かったような感じです』

★回答

そうですね。

5千万円以上の住宅ローンがあると、満額の50万円の住宅取得控除が

適用されます。

住宅取得控除は税額控除といって計算された税額から控除額を直接減

額することができるのです。

50万円の住宅取得控除があると、50万円の所得税があっても納税は

ゼロであることになります。

☆質問

『なるほど、私の15年度の所得税が50万円以下であったことから給与

から天引きされた所得税が全額還付されたのですね?』

★回答

そのとおりです。

税額控除は節税効果大です。

☆質問

『昨年は娘がけがをして医療費がたくさんかかったのですけれど、医療

費控除は税額控除ではないのですね?』

★回答

そうです。

医療費控除は所得控除になります。

税額控除は控除額だけ税金が安くなるのですが、所得控除は控除額

に税率を掛けた額だけしか税金が安くなりません。

☆質問

『医療費控除が50万円でもその人の税率が20%であれば、50万円

の20%、つまり10万円しか税金は安くならないのですね?』

★回答

そのとおりです。

しかし、医療費控除は所得控除だからといって侮れません。

☆質問

『なぜですか?』

★回答

住宅取得控除は住民税は関係なしですが、医療費控除は住民税も安

くなるのです。

☆質問

『ええ!本当ですか?』

『住宅取得控除で所得税が全額還付されるもので、医療費控除はあえ

て申告しなかったのですが、これって住民税を損したことになりますよ

ね?』

★回答

そのとおりですよ。

今日は3月15日で確定申告の最終日です。

まだ間に合います。

訂正申告ということで、医療費控除を追加した確定申告書を急いで税務

署に提出してください(訂正申告については税務署にお尋ねください)。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

無断転用・転載を禁止します。

本メールマガジンに掲載されている著作物に対する以下の行為は、著作権法上禁止されており、著作権侵害になります。

  • ○著作物を、私的利用の範囲を超えて権利者の許可なく複製する行為
  • ○著作物を、インターネット上で公衆が取得可能な状態にする行為
  • ○著作物の全部もしくは一部を権利者の許可なく改変する行為