03-3464-9333
(平日9:00~18:00)

週刊節税教室

五木ひろしの申告漏れ

法人税
第51号 2002/9/16

☆質問

『歌手の五木ひろしが代表を務める芸能プロダクションで、役員退職金が税務調査で否認されて1億円以上の追加納税をしたとありましたが、なぜ否認されたのですか?』

★回答

新聞によりますと「退職した役員の退職金2億円を、まだ支払がないのに決算で計上したため、経費として認められなかった」とありました。

正直言って、この記事だけを税務の専門家が見ると「なぜ?」と思います。

☆質問

『どうして「なぜ?」と思うのですか?役員の退職金は支払ってなくても認められるのですか?』

★回答

はい、認められます。

役員退職金を経費にできるタイミングは次の2通りあります。

1.株主総会決議で退職金額が具体的に確定したとき。

2.退職金を支給したとき。

株主総会決議で役員退職金の額が決定していれば、退職金の支払がなくても退職金を未払金として計上することにより、経費として認められるのです。

☆質問

『なるほど。そうですか。ではなぜ五木ひろしのケースでは認められなかったのでしょうか?』

★回答

考えられることは、以下のようなことです。

1.その決算期では、株主総会で役員退職金の支給額決定の決議がなされていなか

 った。

2.その決算期では、役員退職の事実がなかった。具体的には役員退任登記をしてい

 なかった。

3.役員退職金はもともと支払う予定のないものと判明した。

4.役員退職金が退職した役員には職務実績等から見て過大な額であった。

☆質問

『いろいろ原因は推測できるようですが、新聞の記事だけでは何が原因か分かりませんか?』

★回答

そうですね。新聞には「退職金として計上した期にまだ支払われていなかったため経費として認められなかった」とあるだけですから、考えられるのは上記の1.が一番可能性があるかと思います。

しかし、税理士がいるわけですから、「そんなミスをするのかな?」とも思います。

役員退職金は高額な経費を一時に計上できるため、節税対策としても良く使われますが、額が大きいだけに経理処理は慎重にしなくてはなりません。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

無断転用・転載を禁止します。

本メールマガジンに掲載されている著作物に対する以下の行為は、著作権法上禁止されており、著作権侵害になります。

  • ○著作物を、私的利用の範囲を超えて権利者の許可なく複製する行為
  • ○著作物を、インターネット上で公衆が取得可能な状態にする行為
  • ○著作物の全部もしくは一部を権利者の許可なく改変する行為