週刊節税教室

死亡に伴う退職金

相続税、所得税
第41号 2002/7/8

☆質問

『今年定年退職した主人が先日交通事故で亡くなりました。会社から退職金の支給を受けたのですが、相続税及び所得税・住民税の計算上どのように取り扱われるのですか?』

★回答

まず退職金については、支給額がいつ確定したかがポイントとなります。

☆質問

『退職金の支給額が死亡前に確定していた場合はどのようになりますか?』

★回答

退職金の支給額がご主人の死亡前に確定していると、ご主人への通常の退職金ということで、所得税・住民税が課税されます。

また、亡くなられたときに、まだその退職金の支払を受けていなければ、その退職金の請求権が相続財産になります。

☆質問

『では、退職金の支給額が死亡後に確定していた場合はどのようになりますか?』

★回答

退職金がご主人の死亡後3年以内に確定したものについては、死亡退職金となり、所得税及び住民税は課税されません。

そして、死亡退職金は相続財産とされますが、相続人1人あたり500万円の控除があり、相続税計算上も優遇されています。

☆質問

『もう少し具体的に教えてください?』

★回答

500万円に法定相続人の人数を乗じた金額が、相続財産である死亡退職金の額から控除される金額となります。

たとえば、法定相続人を3人とすると、死亡退職金から控除される額は、3人×500万円の1,500万円となります。

ですから1,500万円の死亡退職金をもらっても相続税の対象となる金額は0円となります。

☆質問

『なるほど、よく分かりました。死亡退職金は税金が非常に優遇されているのですね』

★回答

そのとおりです。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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