週刊節税教室

事務所の保証金(1)

法人税
第26号 2002/3/25

☆質問

  『会社を引越して、新たに事務所を借りました。保証金として300万円を大家

  さんに払いましたが、どのように処理したら良いのですか?』

★回答

  保証金はそもそも大家にお金を預けているもので、退去時に全額返してくれ

  れば、300万円を資産として全額計上することになります。

  経費としては1円も計上できないということです。

  しかし、通常そんな呑気な大家はいませんので、保証金の償却(返してくれ

  ない金額)に関する記載が賃貸借契約書にあるはずです。

  まず、事務所の賃貸借契約書を見て、保証金に関する事項を確認してくださ

  い。

☆質問

  『契約書には、「保証金は退去時に10%償却され、残りの90%を返してくれる」

  との記載があります。』

★回答

  なるほど、300万円の10%である30万円は返却されないお金ということです。   

☆質問

  『返却されない30万円は一度に経費で落とせるのですか?』

★回答 

  残念ながら、30万円を一度には落とせません。

  税務上は、30万円を五年間にわたって分割して経費として計上します。

  つまり、毎年6万円ずつ経費として計上します。

☆質問

  『なるほど。素人に難しい処理ですね?』

★回答

  そのとおりです。

  専門家でもこの30万円の処理を見逃しているケースが散見されます。

  素人の方が分らなくて当たり前です。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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